2024年12月21日(土)、人魚研究の世界的権威であるジャクリーヌ・ルクレール=マルクス氏(ブリュッセル自由大学名誉教授)が、中央大学多摩キャンパスForest Gateway Chuo F310教室で講演を行いました。
ルクレール氏は12月14日(土)にも沖縄県立芸術大学で開催された国際研究集会「人魚の表象の領域横断的研究」(※1)で基調講演を担当されており、1997年にベルギー王立アカデミーから刊行された『古代と中世の思想と芸術におけるセイレーン 異教神話からキリスト教の象徴へ』は、セイレーンやマーメイドなどの人魚的存在に関する最重要文献です。本学の総合政策学部図書館が所蔵しています(※2)。
中央大学人文科学研究所の研究チーム「妖精とは何か」が主催し、フランス語で行われたルクレール氏の講演のテーマは「西洋古代・中世の神話・文学・図像に描かれたセイレーン」で、本学経済学部の渡邉浩司(担当・フランス語ほか)が逐次通訳を担当しました。
この講演では数多くの文献資料と約40点の図像資料が紹介され、最初期の言及がホメロスの『オデュッセイア』に見つかる<鳥女>としてのセイレーンが、その後、中世にかけて<魚女>の姿へと徐々に変わっていく経緯はとても興味深いものでした。
ルクレール氏がかつて所属したブリュッセル自由大学は、1999年から中央大学の海外協定校であり、今回のルクレール氏の講演は、両大学にとって貴重な学術交流の機会になりました。