経済学部

経済学部・FLP国際協力プログラムの林光洋ゼミが日本ユニセフ協会と共同講演会を開催

2024年11月19日の国際開発論(担当教員:林光洋)にて、経済学部およびFLP国際協力プログラム林ゼミの4年生と日本ユニセフ協会共同の特別授業が開催されました。全体のテーマは「途上国の栄養不良とフィリピンの食料不安」で、まず日本ユニセフ協会の村山晴香様の講演、「途上国の栄養不良とユニセフの活動」から始まりました。

お腹の中(胎児)から2歳の誕生日までの1,000日間の栄養状況がその後に大きな影響を及ぼすという研究結果に基づいた「人生最初の1,000日プログラム」という栄養状態改善プロジェクトについての紹介がありました。フィリピンでは2018年7月から2022年12月にかけて実施されました。
ユニセフが実態調査にもとづいて関係省庁と協議・政策提言をした結果、予算の拡充がなされ、ある州では2年で5倍になったとのことです。また、産休制度に関する法律の改正も成立したということで、ユニセフによる開発支援の実態・影響力がよくわかる事例でした。

緊急支援は、自然災害への対応が多く、国際機関それぞれの役割分担が決められていることや世界各地に支援物資の倉庫、物流拠点等を設置していることなどを、2021年の台風22号(フィリピン名:オデット)に対する支援を例に教えてくださいました。
そうした際に配られる支援物資の保存食は、ピーナッツが原料で1袋500キロカロリーくらいあるとのことですが、最近の物価高騰で価格が上がってしまっているという実態を、村山さんは現物を見せながら話してくださいました。

 

そのあと林ゼミによる「食料不安改善のためのNGOの役割 ―フィリピンのフードバンクの事例から―」の研究発表がありました。フィリピンの食料不安の現状に関する情報・数字やその解決を図ることを目的にしたフードバンクの活動について受講生たちに情報共有し、それを受けて「フィリピンの⾷料不安を改善するために誰が‧何をしたら良いと考えますか?」という問いのもと、グループワークが行われました。

学生たちは急造のグループながらもテーマに沿って積極的に話し合いを行い、いくつかのグループが壇上で発表しました。村山さんはグループワークの最中にそれぞれのグループを回って学生と話し、手をあげたグループが壇上で発表した後、丁寧にコメントをくださいました。

2024年3月から林ゼミの4年生が日本ユニセフ協会と何度も話し合いを重ねながら企画を練り、この日の共同講演会開催に至りました。彼らは附属高校をはじめ多くの高校で訪問授業を行っており、グループワークのファシリテートも含めスムーズに進行役をこなしていました。