2024年7月11日(木)、経済学部の「交通経済学(担当:後藤孝夫)」にて、今期4回目のゲストスピーカーがお越しくださいました。鈴与株式会社 人財採用部 部長の佐藤さま、次長の朝日さま、採用第一チームリーダーの石羽根さまです。登壇された佐藤さまは自己紹介の中でご自身の大学生活を振り返り、「みずみずしい感性溢れる学生時代に“本物”に触れよう!」と学生たちにメッセージをくださいました。
講演は物流・ロジスティクスについて鈴与の事業紹介を通して俯瞰するというもので、前半では鈴与の詳細な企業説明をいただきました。「B to B主体の事業形態のため一般的な知名度は高くない」と佐藤さまは前置きしながら鈴与のCM(鯨が泳いでいる)をスクリーンに投影し、佐藤さまがCMの認知度を尋ねると、幾人かの学生の手が挙がりました。1801年創業という長い歴史や鈴与を擁する清水港の取扱い規模の大きさ、日本初のツナ缶を製造したことや航空事業まで手掛ける幅の広さに、驚きの表情を見せる学生も多くいました。
事業展開の速さ・領域の広さで200年を超えて成長してきたことについて「非上場・オーナー経営が大きな理由の一つである」とし、経営が独立していること、社会的に意義のある投資を行っていること、地域での真の信用による資金調達、という良い循環があることを説明されました。これが鈴与の経営の拠り所としている「共生(ともいき)」であり、缶詰等の製造技術を地元の会社にも開放する姿勢や、地方と地方を繋ぐ航空事業に参入するといった事柄もここに繋がっており、納得感のあるお話でした。
後半は物流に絞ってのお話で、ロジスティクスとは「時間・空間・量・質・コストのギャップを最適化する」ものであり、「ムダなく、ムラなく(よどみなく)、ムリなくモノが流れるよう計画→実行→管理する」のがその仕事だと説明されました。
業界ごと、またお客様ごとに異なるサプライチェーンを俯瞰して捉え、守秘義務契約を結んだ上でお客様の現場に赴きヒアリングを行い、最適な物流提案につなげていくプロセスを、実例を交え紹介してくださいました。
お客様の物流の全体像を把握するためには、コミュニケーション能力や忍耐力、個人の経験はもとより、センスにも大きく左右されるとのことで、就職を考える学生には求められる能力の一端がヒントになったのではないでしょうか。佐藤さまは鈴与に入社したことについて「自分は飽き性なので、取引企業の業界も扱うものも非常に幅広いのが良かった。面白い仕事だと思っている」と教えてくださいました。
AIの活用やトラックの2024年問題にも触れてくださり、物流の今が分かる、充実した講演でした。また朝日さまは中央大学経済学部の卒業生で、かつて通った多摩キャンパスを懐かしみながら、今の学生たちにエールをくださいました。
中央大学経済学部OBの朝日さま