
CWO(Chief Well-being Officer)の小林様がWell-beingについて説明
2023年10月10日(火)、国際開発論(担当:林光洋)の特別公開授業があり、楽天の創業メンバーの1人であり、現在、楽天グループ株式会社のCWO(Chief Well-being Officer)、常務執行役員の小林正忠様による「楽天グループのフェアトレードへの取り組み」についての講演が行われました。
この講演は、フェアトレードを学内外で広める活動を行う学生団体FACT(Fair Trade Chuo University Team=中央大学フェアトレード委員会(ファクト)。中央大学FLP国際協力プログラムの林光洋ゼミが中心となって設立・活動)が企画・実施しました。FACTは、フェアトレード・ラベル・ジャパン(昨年度「国際開発論」で講演)に招待されて、同団体が本年4月に東京・渋谷で開催したFairtrade Million Action Campaignのキックオフイベントに参加しました。そのイベントで、同様に招待されていた小林様に出会い、直接依頼し、今回の講演が実現しました。

マイクを必要としない大きな通る声で学生たちに語りかける小林様
講演の冒頭で小林様はFACTメンバーの行動力を称えながら、前述の出会いと講演を依頼されたエピソードを紹介し、「自分は彼女らほどフェアトレードについては詳しくない」と前置きした上でフェアトレードの現況や楽天が手掛けるインターネットショッピングモール「EARTH MALL with Rakuten」についてお話しくださいました。
「サステナブルな買いものを日常に」というスローガンで2018年11月に開設された「EARTH MALL with Rakuten」は、SDGsを認知し始めた消費者の意識変化をいち早く捉えたものでした。「フェアトレード」をはじめ、「エコフレンドリー」、「地域活性」といった8つのキーワードを提示したり、母の日ギフトと連動してオーガニック商品を提案したりするなど、サステナブルな消費を分かりやすく発信する取り組みで、規模は拡大傾向にあるということです。

「空を見上げると、生きていることが実感できる」と語る小林様
小林様は2019年からCWO(Chief Well-being Officer)として従業員の心身の健康・幸福=well-beingのためにさまざまな施策に取り組まれており、講演の中でも度々、「どうしたらwell-being(その人らしさ、その人にとっていい状態)な人生を送れるか」についてのヒントを、学生に伝えてくださいました。
楽天では、従業員個人のみならず、組織の、さらには会社の枠を超えた「社会のwell-being」をも、コーポレートカルチャー部門が推進しており、「EARTH MALL with Rakuten」はその一環ということでした。これは楽天の「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」というミッションにも通じるものだそうです。
楽天が周囲から「無理だ」と言われた、創業以来の数々の挑戦を列挙し、それらの多くを実現しえたのは行動の積み重ねだと教えてくださいました。そして「何ごとも行動あるのみ。前例がないなら自分で作ればいい」と「自我作古(じがさっこ=誰もやったことのない新しい分野に挑戦し、困難が待ち受けていてもそれに耐えて実現を目指すこと)」という言葉とともに行動の重要性を熱く語り、講演を締めくくられました。

学生からの質問に真剣に回答する小林様
たっぷりと時間をとった質疑応答のコーナーでは、学生から熱心な質問が飛び交い、小林様は目線を合わせながら答えてくださいました。授業が終了した後も教室の外で、学生からの相談に多くのアドバイスをするなど、どこまでも真剣に学生と向き合ってくださいました。

講演終了後、楽天グループの小林様(左から4人目)を囲む、サステナビリティ部の藤本朱美様(右から1人目)、藤本昇也様(左から1人目)、そしてFACTのメンバーたち