経済学部

経済学部「公益企業論」に総務省より片桐義博さまがご登壇、モバイル市場の競争促進について講演が行われました

2022年12月13日(火)、経済学部の講義「公益企業論(担当:後藤 孝夫)」にて、総務省総合通信基盤局電気通信事業部料金サービス課長の片桐義博さまにお越しいただいて特別講義が行われました。

片桐さまは電気通信事業部料金サービス課長というお立場で、電気通信市場の競争政策を主に取り組んでいらっしゃいます。電気通信事業は社会インフラとして高い公共性を持ちながら規模の経済による自然独占性といった特性があるとしたうえで、「しっかり競争が生まれるようにメンテナンスする」ことが自分たちの主な仕事であると、業務内容を紹介されました。

講演は電気通信事業の概要(ネットワークの構造・競争事業者がどのようにビジネスを展開しているか)やモバイル市場の競争状況(各社の立ち位置)といった説明から始まり、その後は主に消費者が支払う通信料を主軸とした話でした。

携帯電話の販売方式はいくらかの移り変わりがあるものの、高額なキャッシュバック競争によって本来あるべき「通信サービスの質による競争」がおろそかになっており、これは消費者にとって大きなデメリットであると、片桐さまは講演の中で繰り返し強調されました。 中古市場の整備も含めた端末販売の適正化を行ったり、期間拘束(2年/4年縛り)やSIMロックの解除を各事業者へ要請してきたが、既存法の枠組みの中でできることのファインチューニングでは追いつかず、2019年の電気通信事業法の大きな改正に繋がったということです。

身近な「スマホ」、そして気になる「通信料」の話ということで、学生たちはスライドを見つめながら真剣に聴いていました。

電気通信事業法の改正で世界的にも高水準だった料金がかなり安くなり、一定の効果が確認できたことがグラフなどで示されました。それでもまだキャッシュバックに類似することが行われるなど、いたちごっこが続いているということです。 片桐さまは「事業者の競争環境を整備することが極めて重要」、「電気通信は技術革新が著しく大きな発展が期待できる分野だが、いっぽうで早いサイクルでの制度見直しが必要」と総括して本講演を締めくくられました。

その後の質疑応答ではプラチナバンド・電波の再編に関する質問や5G・6Gといった新しい通信規格に関する質問が寄せられ、片桐さまは電波(周波数)の特性など専門知識をまじえながら、丁寧に回答くださいました。