経済学部

経済学部教授 佐々木創が、国連環境計画(UNEP)等主催のサイド・イベントにおいて招聘され、AIを利用した世界の廃プラ政策動向について報告しました。

2022年12月02日

16th Asia Pacific Roundtable on Sustainable Consumption and Productionという国際会議(※1)の中で、国連環境計画(UNEP)とアジア工科大学(AIT)が主催したサイド・イベント “Plastic-Free Rivers for Resilient Riverine Communities” に本学部の佐々木創が招聘され講演しました。

プラスチック汚染と海洋ごみ問題は地球規模の新たな課題です。いま世界130カ国以上で、使い捨てプラスチックの使用規制やプラスチックのリサイクルへの対策が検討、実施されています。しかし2020年からのコロナ対策による宅配サービスの増加などで、廃プラスチック量も増加し、関連規制の実施延期など状況が日々変化しています。

そこで、本学部の佐々木創は人工知能(AI)を活用することで、廃プラ政策動向を常時モニタリングし、データベース化し、将来的に政策評価を行い効果的な削減政策を導出する研究を実施中です。(※2)

※1)https://www.aprscp.net/
※2)https://plus-c.chuo-u.ac.jp/researcher/so-sasaki/ のリサーチ1をご参照下さい。

 

本報告ではAIを活用することで、2022年11月16日現在で世界各国の1,018の政府機関から2万3千以上のマイクロプラスチックに関連する政府文書を集めることができるようになったことを報告しました。

さらに、それらの政府文書を分析すると、使い捨てプラスチック規制導入国の中で規制的手法は52%、環境税、有料化、補助金、デポジットのいずれかの経済的手法は42%の国で採用されているが、削減目標などの戦略を策定している国は48%に過ぎないことなどを明らかにし、今後の政策評価の方向性について報告しました。

本報告は環境研究総合推進費(S-19-2(2))「持続可能なプラスチック利活用社会への移行に向けた将来デザイン研究」(※3)、および地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)「東南アジア海域における海洋プラスチック汚染研究の拠点形成(JPMJSA1901)」(※4)による成果の一部であり、(株)オシンテック(※5)や三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)(※6)との産学共同研究で実施しています。

 

※3)https://s-19pla.jp/index.html
※4)https://www.jst.go.jp/global/kadai/r0101_thailand.html
※5)https://www.osintech.net/
※6)https://www.murc.jp/