経済学部

JR貨物の皆さまによる特別講演、経済学部後藤ゼミ(交通経済学)にて

2022年10月28日(金)の3限、経済学部 後藤ゼミにおいて、JR貨物の杉山さま・島田さまにお越しいただき、特別講義が行われました。

ご登壇くださった杉山さまは本学法学部の卒業生で、JR貨物にご就職。北海道の駅や営業所の勤務から始まって、本社人事部・総務部や本社営業部でも活躍されて、今年の春から再度人事部に移られました。

授業は冒頭でJR貨物についての10分強の動画を視聴し、その後に杉山さまから詳細な説明をいただきました。動画内で紹介されたJR貨物の最長路線は札幌―福岡間の2140kmを37時間で届けるというものでしたが、杉山さまは札幌21時半発の列車が2日後の朝10時半に福岡着で、これが顧客から人気の高いダイヤである、などと具体的な補足をくださり、ゼミ生たちは都度メモを取りながら真剣に聞いていました。

事前にゼミ生から寄せられた質問に、「空きのコンテナはどのように配送するのか」というものがありました。これに対して杉山さまは、「積載されたコンテナで回るようにするのが理想」と、あるべき流れを示した上で、そうもいかない現実を紹介していきました。

国内各エリアの指令所が連携してコンテナ数をコントロールしている様が図で示され、例年の実績等から出した数字に従って配分しているという説明がされましたが、3か月ごとのデータからは季節による変動要因(農作物の収穫時期に産地で需要増、引っ越しシーズンに都市圏で需要増)なども見え、興味深いものでした。

合わせて杉山さまは、動画内で説明されたICタグを使ったコンテナの追跡システムについても、さらに詳しく教えてくださいました。先週北海道からのジャガイモを運んでいたコンテナが、今週は都内から美術品を運んでいる、などの実例も登場し、ゼミ生は鉄道貨物輸送の流れを実感した様子でした。

「(空荷の際に)折り畳みできるコンテナを開発しないのか、強度的に難しいのか」といった質問が飛ぶと、杉山さまは学生のアイデアや知識に驚きながらも、「あったら最高だが、フォークリフトによる積み替えの際に前傾の荷重がかかるため、条件が厳しいのでは」と、ご自身の知見からの具体的な回答・ご指摘をくださいました。
ゼミ生の中には物流について研究しているチームもあり、この100分は非常に実りの多いものになったようでした。