経済学部

HONDAの皆様による講演会、経済学部「交通経済論」の特別講義(第4回)にて

2022年7月15日(金)、経済学部の講義「交通経済論」(後藤 孝夫)において、本田技研工業株式会社(以下HONDA)の皆様をお招きして特別講義が行われました。5名の方(和田英之さま、浅野史興さま、髙田忠嗣さま、川田尚平さま、他1名)が代わるがわる登壇されましたが、それぞれの領域のエキスパートがお話くださるためにこの人数でお越しくださったとのことです。

ご講演は、売上と利益、多岐に渡る製品群(ポートフォリオ)、顧客数といったHONDAの概要から始まり、引き続き、創業来の志である「環境への取り組み」「安全への取り組み」を、エンジン開発やエアバック開発のエピソードとともにご紹介されました。

次に、CO2削減への取り組みを教えてくださいました。HONDAは、二輪車・四輪車から小型ジェット機までを網羅しているだけにCO2排出量は少なくなく、生産や世界中のHONDA製品使用による排出量を総計するとフランスやイタリアなどの国家排出量と同等程度だと言います。
これを減らすための解の一つとして四輪車の電動化推進があり、電動化とソフトウェア開発領域への投資の予定など具体的な数字も挙げながら話してくださいました。
また、航空領域(Honda Jet)にも解決すべき環境問題があり、近年のトピックとともに代替燃料の研究をはじめとした取り組みにも触れられました。

そのほかにも、環境負荷をさまざまな面から減らしていく資源循環の取り組み、1972年から世界43の国と地域で展開する安全運転普及活動、人とAIとコネクトを掛けあわせることで目指す交通事故者ゼロへの取り組みなどもご紹介くださいました。また世界的に注目されている自動運転技術の進捗状況や今後の展開も教えてくださり、学生も来る未来のモビリティの話を熱心に聞いていました。

最後には、「ホンダの戦略と交通経済の関わりについてのディスカッション」と題して、「電動モビリティとエネルギーサービスを繋ぎ、自由な移動の提供と再エネの利用拡大に貢献する」という構想、PanasonicやSonyとの業務提携という今後を見据えた戦略をお話しくださり、競争優位の確立と「市場の失敗」の回避のためにどういったことを考えているかということを具体的に示してくださいました。

学生からは「なぜF1から撤退したのか」「自動車産業は将来的にモビリティ産業 (従来の事業間がボーダレスになり統合した産業) へと変貌していくのか」といった質問が事前に寄せられていましたが、それらは講演の各章にトピックとして盛り込まれ、HONDAの皆様はさまざまな資料を添えながら深いご回答をくださいました。