経済学部

ANA総研の主席研究員による講演。経済学部「交通経済論」の特別講義(第3回)にて。

2022年7月8日(金)、経済学部の講義「交通経済論」(後藤 孝夫)において、株式会社ANA総合研究所産学連携事業部 主席研究員の山本宗人さまによる特別講義(リモート登壇)が行われました。講演テーマは「ANAのあゆみと今後の経営戦略」で、航空業界の動向からANAのあゆみ、経営戦略、Withコロナ・アフターコロナの取り組み、求める人財像、といった多岐にわたるものでした。

特に「航空業界の動向」については時間をかけられ、エアラインビジネスの特性4つを挙げながら、需要と供給のマッチングが重要なこと、ホスピタリティが他社との差別化のポイントとなることをご説明くださいました。
また「ANAのあゆみ」では会社沿革にとどまらず、45/47体制から規制緩和、グローバルアライアンス、と時代を区切りながら、それぞれ世論や外圧など当時の状況・環境も含めてのたいへん詳しい解説でした。

山本さまはコロナ禍を経た現在の航空業界を、「やっとトンネルの出口に光が見えてきた、光は大きくなりつつある」と表現されましたが、国内線においては2022年7~8月は2019年度とほぼ同じ運航便数になっており、回復は事前予測より早まっているとのこと。さらに今後は国際線も旅客便数を増加させる計画とされていますが、ANAグループでは非航空収入の拡大に向けた取り組みも進めており、その具体的な事例もご紹介くださいました。新たな技術・発想からなる事業の説明に、学生は真剣に見入っていました。

講演の中で、ANAグループで仕事をしていて良かったと思うことをお話くださいましたが、①お客様が笑顔でいる、楽しそうにしているとき ②思いもよらないところに感謝の言葉をもらったとき ③飛行機を飛ばすにあたり一体感、強いチームワークを感じたとき ④公共交通機関としての責務を果たせたと感じたときに特に喜びを感じたと言います。 講演の結びにはANAグループが求める人財像をお話くださいましたが、「航空機は一人では飛ばせない」と前置きし、協調性・仲間を尊重できることが大切な資質であると述べられました。またそれ以外に本質を見抜く力(課題設定力)、最後までやり抜く力を挙げられました。

講義後には学生から事前に寄せられたさまざまな質問に丁寧に答えてくださいました。 ANAグループで人事部にも在籍していた山本さまだけに、ANAのカルチャーである「Good Jobカード」について聞くなど、学生たちも事前によく調べていると感じられました。