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2021年11月22日

日本ユニセフ協会×経済学部 特別公開授業「国際開発論」-林光洋ゼミが講演会(『途上国の栄養不良問題』)を企画・実施-

11月16日(火)3時限目の「国際開発論」(経済学部 林光洋)で、日本ユニセフ協会(以下:ユニセフ)から高円 承子さんをお招きして「途上国の栄養不良問題」をテーマとした特別授業が行われました(オンライン開催)。

授業は「栄養問題について-フィリピンの事例から-」と銘打った、林ゼミのプレゼンテーションから始まりました。

「栄養不良」というと飢餓や発育不良といったいわゆる「低栄養」を想像しがちですが、肥満・生活習慣病につながる「過栄養」もそれに含まれること、そして子どもの栄養不良による弊害として「子どもの両親の生産性の低下」や「保健医療システムへの負荷」などの諸問題を示し、特に東南アジア諸国における栄養不良問題の現状を説明しました。

次に、林ゼミの発表内容にもとづき、「栄養の二重負荷(低栄養問題と過栄養問題)解決のために何ができるのか」を論点にしたグループワークの時間へと移っていきました。「低栄養問題」を解決するために当事国(フィリピンなどの途上国)は何ができるのか、何をやったらいいのか、同問題に対して日本は何ができるのか、何をやったらいいのか、「過栄養問題」を解決するために当事国は何ができるのか、何をやったらいいのか、同問題に対して日本は何ができるのか、何をやったらいいのか、というように論点を4つに分け、2グループずつ、合計8つのグループが議論、検討を行いました。

学生たちはコロナ禍を通してオンライン会議システムにすっかり慣れており、オンライン上のメンバーと対面のメンバーとが一緒になって、15分間という短い時間の中で効率よく話し合いを進めていました。

続いてグループワークの結果報告を受け、高円 承子さんが講評をしてくださいました。

各グループとも「栄養についてのただしい知識の普及」につながるような解決策を提案していました。それらの提案に対して、高円さんは「知識を広めるのは難しいことではないが、個々人の行動変容に結び付けていくのが大変である」という開発現場のコミュニケーションの難しさを指摘してくださいました。

そのため、ユニセフは、C4D(Communication for Development)という「どういうアプローチをしたら現地の人たちに伝えたいことが届き、当事者の行動変容に結び付けることができるのか」を考えるセクションを設置しているそうです。乳児に不衛生な水やオレンジジュースを与えるのが習慣として根付いていたグアテマラで母乳育児の推進プロジェクトを実施した際、C4Dの助言にしたがって、「やってほしいことの良さ」よりも「やってほしくないことの弊害」を一つ一つ伝えた結果、母乳育児を普及させることに成功したという事例を紹介してくださいました。

その後は「ユニセフと世界の子どもたち -子どもたちの食と栄養-」と題した高円 承子さんの講演が行われました。栄養不良に関連したさまざまな問題、それらの原因、そして解決に向けたユニセフの取り組み等が、多くの現場の写真とデータとともに紹介されました。

講演の中で、新型コロナウイルスにより約15億人の子どもたちが学校の休校で負の影響を受けているという話がありました。それは、休校で学校給食を食べる機会を失った子どもたちが栄養不良に陥っている状況であり、教育の機会を奪われたという以前の、想像も及ばなかった現実を思い知らされるものでした。

最後に「若者の力は無限大」であるという力強いメッセージと、若者がアドボケーターとして大きな力を発揮しているユニセフ主導の活動を紹介され、講演は締めくくられました。

この公開授業/講演会には100名を超える学生や職員が参加しました。林ゼミの学生たちは、何回にもわたって高円さんと打ち合わせを行い、この日の授業を作りあげたそうです。入念に事前準備を行い、司会進行役、プレゼンテーション班、グループディスカッションのファシリテーター役などに分かれ、当日は時間内にスムーズに授業を進行することができました。