経済学部

【ゼミ】経済学部・FLP国際協力プログラム林光洋ゼミが高校、中学校、小学校で訪問授業を実施しました。

2018年12月19日

経済学部およびFLP国際協力プログラムの林光洋ゼミは、2011年度に学生が自主的に始めた訪問授業を2018年度も実施しました。これまでは、高校向けがほとんどでしたが、訪問先リストの通り、今回は、中学校向け、さらに初の小学校向けの訪問授業も行ないました。

神奈川県立相模原高校での授業風景

【高校向け訪問授業】

高校を担当するグループは、「世界の問題に興味をもってもらう」および「大学生活のイメージを具体化するきっかけをつくってもらう」ことを目的に、神奈川県立相模原高校、中央大学高校、中央大学附属高校、中央大学杉並高校の4校で訪問授業を実施しました。

 

高校向けの授業では、2017年に林ゼミが現地調査で訪ねたフィリピンの「環境問題」や「教育問題」を題材にしたクイズを出したり、写真や映像を用いて説明したりした後、生徒と一緒にグループワークをしました。

 

教育へのアクセスの悪さに関するグループワークでは、「『学校に通えない』が引き起こす負の連鎖」をテーマに、教育を受けられないことがどのような問題につながってしまうのか、について考えました。グループワークでは、生徒が積極的に参加し、話し合っている様子が目立ちました。生徒からは、「グループワーク形式の授業を普段やらないので新鮮で楽しかった」や「他の人の意見を聞き、さまざまな考え方があることを知ることができてよかった」といった感想が出ました。

中央大学高校での授業風景

授業の最後には、林ゼミで行っている活動を紹介しながら、高校生に対して「世界の問題に興味をもち、実際に行動してみよう!」というメッセージを送り、締めくくっていました。

中央大学附属横浜中学校での授業風景

【中学校向け訪問授業】

中学校を担当するグループは、中央大学附属中学校、中央大学附属横浜中学校、品川女子学院、東京都稲城市立稲城第一中学校の4校で訪問授業を実施しました。

 

「フィリピンがもし〇〇人の村だったら」という切り口から、生徒にフィリピンの教育、インフラ設備、ゴミ処理等の問題について体感してもらうことのできる授業を設計し、提供しました。前年のフィリピン現地調査で撮影した実際の写真や動画を多く用いることで生徒の視覚に訴えかけるように工夫していました。

200人近くの生徒を対象にした品川女子学院での授業風景

グループワークでは、4~6人の生徒で構成されるグループに1人のゼミ生をファシリテーターとしてはり付け、積極的に話し合いをしてもらいました。ゴミ山がある街で暮らす人々や代替教育制度を利用して学習する人々に関する資料を配布し、そこから見えるフィリピンの問題点やその問題の解決策をグループの中で話し合ってもらい、最後に、日本人としてできることについて考えてもらいました。

 

 授業後のアンケートには、「フィリピンの現状を知り、自分はいかに幸せな生活をしているのかということに気づいた」、「自分の当たり前が世界の当たり前ではないことがわかった」、「国際協力をやりたい」、「日本が開発途上国に頼って生活しているとは知らなかった」、「自分の好きなことや得意なことで人を助けることができると知り、自分の将来の可能性、選択肢が広がった」といった感想が生徒たちから寄せられました。

多西小学校での授業風景

【小学校向け訪問授業】

 小学校を担当するグループは、「世界のことについて知るきっかけをつくる」ことを目的に、東京都あきる野市立多西小学校と神奈川県川崎市立菅小学校の2校で訪問授業を実施しました。小学校向けの訪問授業は、林ゼミにとって初めての挑戦でした。

 

あきる野市立多西小学校では、6年生の3つのクラスを対象にして、前年に実施したフィリピン現地調査の経験を用いながら、「ゴミ問題」、そして生活に対してもっとも身近である「水」をテーマにした授業を行ないました。各クラスで6グループに分かれてもらい、地図帳を用いたワークや多くのクイズを実施し大いに盛り上がりました。

 

 授業の中の写真にも登場した、上水道の整備されていない国・地域で水を運ぶのに使われる水がめの実物を持ち上げてもらう体験をしてもらいました。水がめには水を入れていたので、なかなか持ち上げることのできない児童もいました。授業後のアンケートには「日本での生活が当たり前ではないことを知ることができた」、「節水を心がけたい」、「ゴミの分別をきちんとしたい」、「世界のことに興味を持つことができた」等の感想がありました。

川崎市立菅小学校での授業風景

川崎市立菅小学校では、5年生を対象にして4クラス合同の授業を行ない、フィリピンでの「ゴミ問題」、そしてその解決策である「コンポスト」をテーマに授業を実施しました。合同授業の後、各クラスに戻り、振り返りの時間をとりました。そこでは、児童たちが多くの質問をし、学生たちが合同授業では説明しきれなかった内容を伝えていました。

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今回の高校、中学校、小学校での訪問授業で、林ゼミの学生たちは教える側に立ちましたが、「多人数を相手に、正確に知識や情報を伝えることの難しさ」、「教えることで、自分たちのもっていた知識・情報の整理ができること」、「自分たちの途上国での経験を伝えることの重要性」など多くを学ぶことができたそうです。

 

訪問授業の実施に理解を示し、機会を提供してくださったり、協力してくださったりした方々に対して、林光洋ゼミの4年生を中心とするメンバーが深く感謝していました。