商学部

商学部 3・4年次「演習」でファイナンシャル・バリュー&アドバイザーズ株式会社の高瀬氏による講演を実施

2026年6月30日(火)、商学部の 3・4年次生向け「演習」(担当教員:辻野 幸子 教授)において、ファイナンシャル・バリュー&アドバイザーズ株式会社 代表取締役 高瀬 雄一郎 氏による講演を実施しました。

中央大学商学部では、幅広い企業や団体からの協力を得て、各業界の最前線で実務に携わるビジネスエキスパートの講師から、直接指導受けれる機会として、ゲストスピーカーによる特別講義を実施しています。

AI時代における価値創造型の新世代CFO機能とは

実施目的

 本演習は、IFRS会計基準を中心とする会計学(サステナビリティ情報の開示を含む)とその実務への影響をテーマとしており、学生は、監査法人や経理部門、経営者等を目指している。いずれの場合であっても、会計と実務のつながりに意識を向け、AI時代 において経営者や会計人材に必要と考えられる資質・考え方等について学ぶことは、将来のキャリア形成を検討するうえで大きく役立つものと考えられる。

 そこで今回は、戦略的価値創造オフィサー(Strategic Value Creation Officer, SVCO)の養成を目的とした高度会計人材セミナーを主催しているファイナンシャル・バリュー&アドバイザーズ株式会社の高瀬氏と轟氏をお招きし、価値創造型の新世代会計人材に求められる考え方や資質および価値創造プロセスの基礎についてご講演いただいた。

実施結果

【導入パート】
 まず、講師お二人のこれまでのご経歴についてご紹介いただき、一口に「公認会計士」といっても、幅広い活動領域があること、それぞれ専門性が異なることについて具体的にご説明いただいた。
 次に、公認会計士やCFO、CxOとして実務に従事することにより培うことのできる強みや考え方について、長年のご経験を踏まえて分かりやすくご説明いただいた。
 さらに、CFOや公認会計士等の会計人材が実務において活躍するためには、他者への敬意、知的好奇心、共感力、伝える力、高い目標と迅速な行動、考え抜く姿勢等、様々な力(=「人間力」)が必要であることを丁寧にご教示いただいた。経験で培った自分の軸を踏まえ、自ら考え抜き判断していくためのこの「人間力」は、AI時代における次世代会計人材にとってもますます重要となる普遍的な資質であると考えられる。
 学生からは、人間力のお話が非常に印象的であったという意見が多く寄せられた。また実務において活躍できる会計人材となるためには、知識や理論の補強だけでなく考える力・判断力の基礎を形成する人間力を強化することが重要であることがよく理解できたとの声も多く聞かれた。

【企業の価値創造パート】
 このパートでは、企業の統合報告書を題材として価値創造に関するグループワークを実施した。
 まず、事前準備として、学生は4~5名のグループに分かれ、それぞれ担当企業の統合報告書(指定箇所)の読み込みを行った。
 当日は、グループワークに先立ち、「国際統合報告フレームワーク」における価値創造プロセスや価値創造の源泉となる「6つ資本(経営資源)」、統合報告書の作成ポイント等について、講師2名からご解説いただいた。
 続くグループワークでは、講義内容を踏まえ、各企業が持つ強みを「6つの資本」に「情報資本」を加えた計7つの資本の観点から分析した。ワークの最後には、各グループが分析結果を全体に向けて発表し、講師陣からは、丁寧なフィードバックとともに、当該企業の価値創造のためにどのような分野に注力していくことが考えられるか等、思考を深めるための問いかけをいただいた。
 学生からは、統合報告書の精読という試みに刺激を受け、企業ごとの特色や面白さを実感できたという声が多く寄せられた。また、グループ内での議論や他グループの発表を通じて多様な視点に触れ視野が広がったという意見や、各資本がインプット・アウトプットを経て再び資本に循環していく価値創造プロセスについての理解が深まったという意見もあり、学びの多い実践的な機会となったと考える。