商学部 国際マーケティング学科の酒井麻衣子 教授の著書『顧客視点のサービス・リレーションシップ:消費者心理に基づくサービス継続のマーケティング』が、日本商業学会 学会賞 著書部門 優秀賞を受賞しました。なお、2026年日本商業学会学会賞では、中央大学商学部の教員2名が“同時受賞”するという快挙を達成しました。商学部国際マーケティング学科の中野暁准教授の受賞に関する記事もあわせてご覧ください。
受賞内容
受賞者名:酒井麻衣子
学会名:日本商業学会
著書タイトル:顧客視点のサービス・リレーションシップ:消費者心理に基づくサービス継続のマーケティング
受賞内容:
日本商業学会 全国研究大会 第76回大会 会員総会にて、酒井麻衣子教授の著書が学会賞 著書部門 優秀賞を受賞しました。本賞は、流通・マーケティング研究の発展に大きく寄与する特に優れた業績に授与されるものです。
著書内容:
サービス企業にとって、顧客に継続して利用してもらうことは重要な課題です。しかし、顧客満足度が高いにもかかわらず利用をやめてしまう人がいる一方で、多少の不満があっても利用を続ける人もいます。本書は、このようなサービス継続のメカニズムを、消費者心理と実際の行動データの両面から解明することを目的とした研究書です。
理美容室やフィットネスクラブなどのサービスを対象に、同じ利用者を長期間にわたって追跡する縦断調査を実施し、継続利用や離脱に影響を与える要因を実証的に検証しました。分析の結果、継続行動には顧客満足だけでなく、サービス提供者との関係性から得られる価値(リレーショナル・ベネフィット)や、他社への乗り換えを抑制する要因(スイッチング・バリア)などが重要な役割を果たしていることが明らかになりました。
さらに本書では、サービス・マーケティングや消費者心理の研究成果を体系的に整理しながら、顧客との関係性がどのように形成され、維持、育成されるのかを理論的・実証的に考察しています。そのうえで、顧客を単に「維持し、育成する」対象として捉えるのではなく、さまざまな他社のサービスとも連動して、顧客の目標実現を「支援する」パートナーを目指すことの重要性を提起しています。
サービス・マーケティング研究の発展に貢献するとともに、顧客との望ましい関係構築を目指す企業実務にも示唆を提供する一冊です。
教員コメント
このたびは、日本商業学会の伝統ある学会賞を賜り、大変光栄に思います。また同時に、身の引き締まる思いでおります。
本書は、著者が研究者になってから20数年にわたる研究をまとめたものです。長年の研究生活においては紆余曲折もございましたが、折に触れて多くの方に支えられて参りました。この場をお借りして、すべての方に御礼を申し上げます。
本書をまとめる過程で、「企業と顧客との望ましいリレーションシップとはどのようなものか」という、自身に通底する大きな問いを改めて認識できました。その問いに答えられるよう、今後もたゆまず研究に邁進していきたいと思います。