理工学部

理工学部応用化学科OB 赤尾 祐司氏が科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞しました

2017年04月13日

          赤尾 祐司氏

本学理工学部応用化学科OB 赤尾 祐司氏が、「平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」を受賞しました。本表彰は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者を対象とし、文部科学省が決定するものです。赤尾氏は「次世代対応型時計用潤滑油の開発」における優れた業績が評価され、開発部門での受賞となりました。

 

≪研究内容≫

時計は機械式が主流であった。その後クォーツ式時計が開発され、大量生産が実現すると同時にファッション性、機能性を付与した時計が提案されるに至った。しかし、従来の時計は寿命(止まること)があり、3年から5年の定期メンテナンスを推奨していた。調査の結果、時計の寿命を決定付けていたのは、潤滑油の変質であった。
本開発では、変質の防止に加え、今後求められる機能を満たすことができるよう“化学的な構造の最適化”と“構成成分の最適な組み合わせの工夫”を施した新たな潤滑油を作成した。


本開発により、金属やプラ製部品の腐食性の抑制と、潤滑油のゲル化の防止(長期摺動性を維持)、粘度の温度依存性の抑制(省電力化と、動作温度の拡大)を実現した。
本成果は、時計の長寿命化を実現した。時計は新時代を迎え、電波による時刻修正ができる光発電式時計が発売されるようになった。開発した潤滑油は、開発したシチズン時計だけでなく、日本の時計製造会社各社で幅広く使用され、時計の標準油として時計事業全体と社会生活に寄与している。

 

赤尾 祐司氏

(現職)シチズン時計株式会社 製品開発部 化学応用担当課長(上級職)

 

表彰式は4/19に文部科学省にて行われ、松野文部科学大臣より授賞予定です。