国際情報学部
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に内定

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iTLを進学先に選んだ理由を教えてください。
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情報と法律の両方を学べる環境に魅力を感じたからです。高校時代は理系科目が好きで理系を選択していましたが、次第に法律や社会学にも関心を持ち始め、高校3年生の時に文転しました。その中で「文理の枠を越えて学べる環境」を求めるようになり、iTLに出会いました。「ITの世界にはまだ、ルールが足りない」というiTLのキャッチフレーズの通り、情報技術の発展に伴い新たなルールが不可欠であり、情報か法律の一方だけでは不十分だと高校生ながらに感じました。将来、情報・法律・グローバルの素養を身に付ければ、どんな社会でも活躍できると考え、iTLを志望しました。
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iTLの授業科目の中で最も印象深かった科目を教えてください。
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一つ目は「情報政策ワークショップ」です。
政策担当省庁のゲスト講師の方から最新ICTトピック・課題に関する講義を受け、マイルド派とラディカル派に分かれて政策立案、議論を重ねていくワークショップ型の授業です。国の立場から情報政策を実際に立案するプロセスや制度設計を学ぶことができることも魅力の一つですが、マイルド派・ラディカル派という立場が決まった状態で政策をチームで苦労しながら考え、議論を繰り返すことがとても難しくも刺激的でよい経験になりました。二つ目は「ICTビジネスと公共政策」です。
ICT分野の企業でビジネスを行っている方、個人情報保護等、法律分野からアプローチする方、公共政策に携わる方、様々な分野の実務家の方々が毎回ゲストで講義を行ってくださり、ICT分野における課題や現状に対して多角的に理解を深め、分析する授業です。私は法律系のゼミに所属しているため、ICT分野に対して法律方面の見方に偏る傾向がありましたが、この講義ではICT分野を技術的な方面からも学ぶことができ、複数の角度から考察することができたのでよかったです。また、実務家の方々が講義をしてくださるので、ICT分野で専門に働くことや実際の様子も詳しく知ることができ、キャリア選択にも活きました。 -
ゼミでの研究テーマ、卒業論文・卒業制作のテーマを教えてください。
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個人情報保護・プライバシーを専攻とするゼミに所属しており、「AI採用と自動意思決定を巡る課題」をテーマに卒業論文を執筆しています。近年、国内外問わず、人工知能(AI)を用いて意思決定を下す企業が増加しています。しかし、ディープラーニング技術を用いたAIにはブラックボックス問題があることや、AIによる意思決定には機械学習によるバイアスが含まれ得ることが指摘されており、個人は差別的判断による不利益を被る可能性があります。この課題感から自動意思決定や個人情報保護に関わるEUやアメリカ、国内の動向を分析し、法整備の必要性、今後のAI採用の在り方を研究しています。
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ゼミの中で自分が成長できたと思うところを教えてください。
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論理的思考力です。3年次に、ゼミの仲間とチームで「AI採用」をテーマに論文を執筆、情報処理学会において学会発表を行いました。学会発表ではそれまで持っていた以上の専門的な知識、多角的な思考力が必要だったため、チームで必要な知識を勉強し、発表の対策として想定質問を沢山考え、練習しました。本番では、専門家からの質問に即座に応答しつつも一貫した趣旨を保つ必要があり大変でしたが、この経験を通じて論理的に考え、伝える力が大きく鍛えられました
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アルバイトやインターンシップ、サークル等、正課外の活動について教えてください。
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中央大学音楽研究会マンドリン倶楽部に所属しています。年2回の定期演奏会や様々な演奏会に向けて、週3日の練習や年4回の合宿を軸に活動しています。マンドリンは高校生で始めましたが、大学生になってより本格的に技術を磨いたり、大小様々な演奏会に参加したり、とても熱中できる日々を過ごしてきました。
楽器の練習以外にも、合宿や演奏会等、活動の運営は自分たちで担います。私は、ステージマネージャーとして、ホールや部員、当日スタッフなど多くの人と連携し、打ち合わせや資料作成を重ねて演奏会全体を統括しました。その経験を通じて全体を把握しつつ細部まで捉え、最適な結果を導く「調整力」を培いました。部活動と学業、アルバイト、就職活動など両立は大変ですが、同じ志を持った仲間と、音楽に全力で打ち込んだ時間は大学生活をより豊かにしました。
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大学生活を経て、なぜその内定先に応募しようと思ったのか教えてください。
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一つ目は、技術と社会を結びつける人になりたかったからです。iTLではAIを含め情報技術を社会でどう活かすかを考え、議論する機会が沢山ありました。その際に、最先端技術の発展や適切な社会実装には技術だけでなく、予算や法制度等、クリアしなければならない点が多いと強く感じ、将来はiTLで養った情報・法律・グローバルを軸とした多角的にICT分野を見る力を活かして、働きたいと考えていました。NEDOは民間企業ではないため、利益優先や自前主義な部分なしで、研究を支援します。産学官連携のマネジメントの最前線に立って技術を社会実装させていく役割と意義に魅力を感じ、将来の進路に決めました。
二つ目は新エネルギーと産業技術の両方に携わる機会があり、好奇心旺盛な自分に合致していると感じたからです。iTLに進学を決めた際も、情報・法律・グローバル3つの素養を身に付けられる日本で唯一の学部ということに好奇心が高まり入学しました。専門にしてきた情報技術分野と、まだまだ未知なエネルギー分野、将来も様々な領域、機関、人と出会い働きたいと思い、応募しました。
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iTLでの4年間はいかがでしたか。
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iTLでは、入学時に期待していたとおり、情報と法律を幅広く学べたことに加え、個人情報保護を軸にメディアや政策など学際的に学べた点が非常に良かったです。iTLの先生や友人も常に最新のITトピックに関心を持ち、日常的な会話が刺激となりました。
また、iTL独自の短期留学プログラムである「ICT留学」で訪れたオーストラリアのクイーンズランド工科大学では、ITの専門知識を深めつつ、企業や教育機関、ベンチャーなど多様な機関が抱えるICT課題や取り組みを直接学ぶことができました。
iTLでの学びは大学生活を豊かにし、将来のキャリアの礎になったと感じています。
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受験生へのメッセージをお願いします。
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進路選択や受験勉強では、不安になったり、行き詰まったり、思うようにいかないこともあると思います。そんな時こそ、たくさん悩み、自分なりに考え、周りの人に相談してみてください。正解のない中でも、きっと「これだ!」と思える選択に出会えるはずです。
そして、その選択の一つがiTLであればとても嬉しく思います。大学は自分の興味と可能性を大きく広げ、新しい自分に出会える場所です。期待とワクワクを胸に、最後まで前向きに頑張ってください。応援しています。






