国際情報学部
日本放送協会(NHK)に内定
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iTLを進学先に選んだ理由を教えてください。
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高校生の頃、文化祭実行委員の広報部として活動したことがきっかけで、将来は情報を提供する立場を目指したいという漠然とした目標を持っていました。そこから、受け手にとって誠実な表現とは何か、自身が悪意のある情報に振り回されないようにするために何をするべきか、情報発信における手法を学びたいと考えるようになりました。説明会で、情報で「出来ること」と「やって良いこと」の重なりを学ぶ学部だと聞き、iTLに進学したいと考え入学を決めました。
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iTLの授業科目の中で最も印象深かった科目を教えてください。
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1つ目は、「データサイエンス基礎」です。Excelを用いたデータクレンジングの方法・データの正しい読み方・統計的手法を用いたデータ分析を学びました。タイタニック号乗客の生存率についての分析は、数値として正答率が出るため面白く、予測の正確さを向上させることにのめり込みました。情報系の知識に疎く受講前まで不安でしたが、自分自身で結果を導き出せることにやりがいを覚え、とても楽しい授業でした。
2つ目は、「言語とメディア」です。アナウンサーとしての実務経験を持つ先生の授業で、正しい日本語の文法やアクセント、伝え手としての視点を学びました。実際に他の受講者の前で発表をしたり、原稿を提出したりする機会もありました。「『好きなこと』は、より深く、それ以外にも興味のアンテナを張り、良質な情報の発信者として社会に出ても活躍してください」との言葉を先生に頂き、情報を発信する立場としての進路を本格的に考え始めるようになりました。 -
ゼミでの研究テーマを教えてください。
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松野良一ゼミ(ジャーナリズム論)に所属。富山大空襲を卒業制作のテーマに選びました。大学2年生の頃、空襲体験が綴られた本に関心を持ち、筆者を訪ね体験談を伺い、その悲惨さに言葉を失いました。そして、富山大空襲は工場を狙った爆撃ではなく民間人を狙った爆撃であったこと、当時の防空法により犠牲が拡大していたことを知りました。卒業制作では、そのような状況下、生存者はどのようにして生き抜くことが出来たのかに焦点を当て、聞き取り調査を行います。現地を訪れた際、富山大空襲という史実が中々伝わっていないことにもどかしさを覚えました。自分の卒業制作が、史実を伝える一端を担えたらと考えています。
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ゼミの中で自分が成長できたと思うところを教えてください。
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「聞く姿勢」が身についたと思います。私の所属するゼミは、ジャーナリズムを学ぶゼミです。一から企画を立案し、フィールドワークによる聞き取り調査を行い、それを作品としてまとめ上げることが求められます。取材テーマとしていたのが、戦争というセンシティブな内容であったため、取材の際、「過去の苦しい経験をどこまで聞いていいのだろうか」という戸惑いがありました。当初は、言葉を濁した拙い質問を投げかけていたと思います。何度か取材を重ね、苦しい経験を無理に引き出すのではなく、気持ちに寄り添い耳を傾けることの大切さに気がつきました。今後、社会人としても、「聞く姿勢」を持って向き合えたらと思っています。
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アルバイトやインターンシップ、サークル等、正課外の活動について教えてください。
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大学1年次から、塾講師とカフェのアルバイトを続けています。塾講師では、学校に中々馴染めていない生徒を受け持つこともあり、学習のサポートは勿論、塾が第三の居場所になればという思いで指導を進めてきました。ご家庭から、直接感謝の言葉を頂くことが何よりも励みになりました。カフェのアルバイトでは、接客業の経験もなく、周囲に支えてもらう場面ばかりでした。現在は、受けた恩を、新人の皆へ受け渡せるよう奮闘中です。アルバイトはお金を稼ぐことだけが目的だと考えていましたが、進路を考える上で、多くのヒントを貰ったように思います。
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大学生活を経て、なぜその内定先に応募しようと思ったのか教えてください。
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高校時代からマスコミという存在への憧れがありましたが、ゼミのプロジェクトへの参加が、マスコミ業界を志す直接的なきっかけとなりました。所属ゼミでは、「特攻と中央大学」という戦死した特攻隊員の調査プロジェクトを行なっています。資料収集、遺族会への連絡、資料館等での取材を通し、中大出身の特攻隊員(陸海軍計70名)を特定していきました。大学生の命が失われたことを資料的にまとめた価値ある調査だと考えると共に、世の中に事実を伝えること、関心を持ってもらうことの難しさを痛感しました。そして、価値ある情報であっても、それを伝える基盤が整っていなければ、人々は事実を知ることが出来ないことを歯がゆく思いました。この経験から、人に情報を“届ける”立場で働きたいと考えるようになり、マスコミ業界を志望しました。その中でも、全国に拠点を持ち、膨大な労力・時間をかけて社会問題に向き合うNHKに魅力を感じ、エントリーしました。相談に乗ってくださったNHK職員の皆様の人柄・仕事への熱意に惹かれたのも決め手の1つです。将来的には、コンテンツ展開に関わる仕事や、視聴者の方々と連携した地域貢献に取り組めたらと考えています。人と人を繋ぐハブとして組織を支えながら、「視聴者に届ける」ために自分から働きかけられる存在へと成長出来たらと思っています。
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iTLでの4年間はいかがでしたか。
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コロナ禍で始まった大学生活でした。パソコンも使い慣れない中、オンライン授業を受ける日々に不安で一杯でしたが、新入生が交流出来るようにと場を沢山設けて頂いたことを覚えています。現場での経験談を交えた先生方の授業は、専門的ではありながらも初学者にも取っつきやすく、分からない部分はすぐに質問出来る環境に身を置かせてもらっていました。文系・理系問わず、関心のある授業を思うままに選択出来たように思います。振り返ってみると、ゼミの先生や同期、取材先の方々、他分野を極める友人達、かけがえのない出会いに恵まれた4年間でした。
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受験生へのメッセージをお願いします。
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皆さんの“何となくの関心”を大切にしてもらえたらと思っています。先述しましたが、私が情報を発信する立場を目指したのは、高校時代の広報部の活動が「何となく」楽しかったからです。将来、本当にその立場に立つとは考えていませんでした。ですが、iTLに入学し、「何となく」関心を持ったゼミに入り、「何となく」面白そうだと思った授業を選択していた積み重ねに、今があります。「物凄い興味があるわけではないし…」と、自分の関心を蔑ろにせず、進路に向き合ってもらえたらと思います。iTLには皆さんの「何となく」に刺さるであろう多岐に渡る授業があります。皆さんの進路選択の1つにiTLが増えたらとても嬉しいです。応援しています!