国際情報学部
株式会社野村総合研究所に内定
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iTLを進学先に選んだ理由を教えてください。
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学際的な学びができると考えたからです。受験当時の私は、高校時代に所属していた起業ゼミでの経験から、Webマーケティングに興味を持っていました。起業ゼミでさまざまなビジネスアイデアを考える中で、自分のアイデアを適切な対象者に知ってもらい、実現し収益化するためには、データ分析や予測分析が欠かせないと認識しました。その上で、避けては通れないのが、個人情報保護法や消費者保護法などの法律の知識でした。ちょうどその頃は、トラッキング技術の利用と個人情報の保護に関する厳格な規制の必要性が議論されていた時期でもありました。最終的には、ITとそれを規制する法律のどちらも学べる点が私の興味と合致したため、進学を決めました。
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iTLの授業科目の中で最も印象深かった科目を教えてください。
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「問題解決とアルゴリズム」と「情報判例研究B」です。
「問題解決とアルゴリズム」では、アルゴリズムやデータ構造について学びました。この講義では、Webサイトやアプリの背景にあるアルゴリズムを具体的に説明してくださるので、実社会との関連を強く感じることができました。また、自分の手で実際にアルゴリズムを実装するだけでなく、それを身近な問題に当てはめる演習を行うので、腰を据えた学びができました。
「情報判例研究B」では、日本及び米国における情報通信やメディアに関する重要な裁判例を調査し、少人数でディスカッションを行いました。ディスカッションでは、判決書だけでなく、学術論文などに記載された注釈や解説をいくつも参照し、その内容を深く理解した上で、判決に対する自身の意見を求められます。報告前の準備はとても大変でしたが、情報法の専門家である先生と、現実に即した問題を具体的に議論できるので、他の講義とは異なる魅力がありました。 -
ゼミでの研究テーマを教えてください。
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「個人情報に着目したシリアスゲームによる若者のネットリテラシーの向上と分析」です。研究の目的は二つあります。一つ目は、自身の情報を適切に保護できるよう、情報の公開にあたって問題となりやすい事例を楽しく学べるゲームを制作し、プレイヤーのネットリテラシーの向上を図ることです。二つ目は、実際の場面を想定してゲーム内で相手と対話することで、アンケート調査では見えにくい対象者のプライバシー意識を測り、現状やその後の変化を分析することです。最近のアップデートでは、対戦相手として実在の人間ではなく、チャットボットも選択できるようになりました。これにより、プレイヤーのゲームプレイに対する心理的コストが下がり、手軽さが向上した上、取得できるデータ量が増加しました。今後は、チャットボットとの対戦を軸に、ゲーム性と教育効果のバランスを考え、研究を進めていく予定です。
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ゼミの中で自分が成長できたと思うところを教えてください。
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チームで何かを作り上げる力が身についたと思います。私は、二年後期から三名で共同研究を行ってきました。最初は、紙のカードゲームから始まりましたが、徐々にシステムが複雑になるにつれて、チーム内での役割分担やスケジュール管理、密なコミュニケーションが不可欠になってきました。この経験から、チームメンバーと協力してプロジェクトを進める力が養われたと感じます。
また、学会発表や海外研修を通して、大学の中だけでは得られない広い視野が手に入ったと思います。今年の夏は、大手IT企業のベトナム支社に赴き、現地のインターン生と、ITを活用したベトナムの社会課題解決策を考えるワークショップを行いました。実際にその地を訪れて自身の目で現状を確認し、地元の人々の視点を学びながら一緒に一つの課題に取り組んだことは、貴重な経験となりました。 -
アルバイトやインターンシップ、サークル等、正課外の活動について教えてください。
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首都圏の様々な大学から学生が集まる「よさこい」団体で、正課外の大半を過ごしました。そこでは特に、組織内のリーダー育成に注力しました。チームへ深く関わり、貢献するチャンスを全員に提供することで、団体活動へのモチベーションを維持してもらい、次世代へ繋げることを目的としていました。私は、数名のメンバーに一時的に大きな裁量権を与え、学年や経験にかかわらず、早い段階からチームの中心として活躍できるようサポートしました。この次世代リーダー育成は、立場や関係性を超えた様々なメンバーの多様な考えを受け入れ、尊重する組織文化も形成していきました。私はここで、組織の問題を自分事と捉え、責任感をもって課題に取り組んできた経験から、周りを見る力が身についたと思います。
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大学生活を経て、なぜその内定先に応募しようと思ったのか教えてください。
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ゼミでの研究が大きく影響しています。ネットリテラシーの向上を目的としたシリアスゲームを共同で開発した経験から、ターゲットを意識したモノづくりの難しさや、仲間と共に複雑な課題に取り組む楽しさを学びました。野村総合研究所では、そこで培った課題解決力や協調性を活かし、業界全体に貢献できるような取り組みに関わることができると考え、応募を決めました。その上で、入社を決めた理由は、面接やインターンシップを通して、そこで働く社員の方々や雰囲気に惹かれたからです。面接担当者の方は、私のやってみたいことと、その部署で経験できることや、その部署の方から聞ける話を考え、的確にマッチングしてくださいました。一人一人の志向をよく見てくださり、ここでの経験からたくさんのことを持ち帰ってほしいんだという思いがひしひしと伝わってきました。また、インターン配属先の社員の方は、私が出した結論だけでなく、そこに至るまでのプロセスに耳を傾け、納得いくまで議論を深めてくれました。業務内容だけでなく、タスクにかける熱量や土壇場に発揮する対応力も見てくださったことがとても印象的でした。最終的には、入社してからできることや一緒に働く方々が、私の思い描く理想に一番近かったため、野村総合研究所への就職を決めました。
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iTLでの4年間はいかがでしたか。
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面倒見の良い先生と人格的にも優れた個性豊かな友人に恵まれ、充実した4年間でした。たくさんの素敵な出会いに心から感謝しています!
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受験生へのメッセージをお願いします。
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今、感じている思いや期待を大切にしてください。進学先を決める過程は、自分を深く理解し、成長する貴重な機会でもあります。だからこそ、自分を信じることを忘れずに進んでください。皆さんにはそれぞれの強みや価値があり、どの進路を選ぶにせよ、それは必ず活きてきます。皆さんにとって、進路選択は一つのステップに過ぎず、将来の可能性は無限大です。試練があっても、その経験があなたを強く成長させる源となることを忘れないでください。応援しています!