国際情報学部

慶應義塾大学大学院法務研究科に合格

慶應義塾大学大学院法務研究科に合格! 小﨑愛華さん

iTLを進学先に選んだ理由を教えてください。

受験当時、学部について調べていた際に、国際情報学部での学びに興味を持ちました。国際情報学部では文系と理系を融合した「情報の仕組み」、「情報の法学」、「情報の国際文化」という3つの分野を学修するカリキュラムとなっています。他の学部にはなく、唯一無二の学びができるのではないかと考えていました。また、学部の紹介動画では、AI、IoT、自動運転など新しい技術が発展していく中、法整備も必要不可欠であることが紹介され、そこでも学部の学びの意義に共感しました。国際水準で、これからの時代に必要な知識が身につけられると思いiTLに入学を決めました。

iTLの授業科目の中で最も印象深かった科目を教えてください。

1つ目は、「情報政策ワークショップ」です。この講義では、情報法などの制度設計、政策立案について学修をしました。競争政策と消費者保護、個人情報保護法改正、サイバーセキュリティ、違法有害情報対策といった最新のテーマに合わせて、政策を担当されている実務家の方々から講義を受けました。その後、テーマごとに課題が設定され、少人数のグループに分かれて、各課題に対する賛否の立場からプレゼンを行いました。講義を通じて、現場での政策課題について議論や分析を行ったことがとても印象に残りました。
2つ目は、「情報判例研究C」です。この講義では、情報に関する裁判例について調査を行い、事案の整理方法、争点の把握方法、判旨の分析方法などを習得しました。少人数で行われた講義であったため、事案の争点、論点についても担当教員と学生間で議論をすることができ、とても理解が深まりました。私は、インターネット・ショッピングモール事業者の責任に関する裁判例を調べましたが、他にも著作権、パブリシティ権、プライバシーなどに関する裁判例の研究もありました。深く多くの判例に触れる機会となり印象に残っています。

ゼミでの研究テーマを教えてください。

私の研究テーマは、「デジタル・プラットフォーム企業が介在する取引に対する日本の消費者保護規制のあり方」についてです。学部での学修が進むにつれ、私は、特に「情報の法学」という分野に学修の重きを置きたいと考えました。電子商取引の発展によって、デジタル・プラットフォーム企業の果たす役割がますます大きくなっています。消費者の利益に十分配慮して、安全に取引に参加できるデジタル市場のルール整備が重要となり、各国の対応が求められています。日本では、プラットフォーム規制について、企業の自主的な対応に委ねられる部分も大きく、消費者保護の観点から必ずしも十分であるとはいえない現状があります。一方で、EU、中国などでは、世界に先駆けて、デジタルプラットフォームを規制する包括的な法制度の立法化が進んでいます。私は、本テーマを研究するにあたって、日本の法規制や議論状況を整理した上で、海外の法制度、動向と比較しながら研究を行っています。最終的には、消費者保護のあり方について提言をします。

ゼミの中で自分が成長できたと思うところを教えてください。

ゼミでは、ゼミ生の研究テーマに合わせて、研究発表、論点について議論を行う個別研究を中心に行っています。その他には、国内外の文献、動向の調査方法、情報法に関わる判例などについても学修しました。ゼミ生の研究テーマの多くは、まだ法律で定められていない分野であったり、法案が立法されている段階にあったり、動向のアップデートが非常に早い分野です。そのため、最新の文献を収集して、現在の議論状況の把握に努めています。論点の議論については、同学年のゼミ内だけでなく、下級生のゼミ生とも議論を行うことができました。自分にはなかった観点から議論をすることで、論点が深まり、論文の執筆にも役立ちました。以上のように、法律分野における研究手法について習得できたと思います。

アルバイトやインターンシップ、サークル等、正課外の活動について教えてください。

学内での活動については、「iTL国際交流サークル」、「iTLAI研究会」など複数の団体に所属をしていました。1期生として入学をしたため、入学当初は、サークル活動などの課外活動がまだありませんでした。そういった中、新規にサークル活動の立ち上げに携われることができました。新しいキャンパスでの活動は大変なことも多く、またコロナ禍では、オンラインに移行をして、新入生や国際経営学部の学生、海外大学生などと、それぞれ交流会を開催することができました。また、学部の先生方をお招きした座談会を開催するなど、先生方や事務室の支援もあって、たくさんの方と携われることができ、学びになることも多かったです。3年次からは「国際情報連盟」に所属をし、iTLでの新歓、2年生向けのゼミ紹介などを企画しました。歴史が浅いiTLだからこそ、新しいことに挑戦をし、物事を成し遂げる経験ができたと思います。
学外での活動については、大学2年次から一般社団法人日米協会で長期インターンをしています。主に日米協会が主催する講演会、歓迎会、シンポジウムなどの運営に参画し、日米民間交流に関わる会員向けのイベントの企画・運営などをしています。コロナ禍では、オンラインでの活動がメインではあったものの、日米両国から国際情勢、日米関係等について有識者と交流したり、知見を得たりできました。日米協会では、業界、ステータスにかかわらずたくさんの方たちと出会い、とくに学生の間に多くの大人と関わる経験を得ることができました。そういった方たちとの交流を通じて、私自身の進路選択の参考にもなり、広い視野をもって物事をみるように心がけることができています。

大学生活を経て、なぜその進学予定先を受験しようと思ったのか教えてください。

iTLでは、様々な講義において、産・官・学からのゲストスピーカー、実務家の方たちをお招きし、現場の声を聞く機会があります。私は、その中でも、弁護士、官庁の方々の講義やゼミでの研究などを通して、「消費者保護」に関するテーマに興味を持ちました。そして、デジタル・プラットフォーム企業に関する新しい技術やビジネスの進展に伴う法制度上の課題を研究していくにつれ、時代に即した法整備の必要性を実感しました。さらに法学の専門性を高めたいと思い進路先を決めました。新しい技術やビジネスが社会的に普及するためには、さまざまな課題の解決、業界内のステークホルダーとの調整を行う必要があると考えています。そういった中、私は、学部での学修を通して、法科大学院では、さらに法学の知識を身につけ、大学院卒業後は公務員または、法曹として、ルール作りの第一線に立ちたいと考えています。

iTLでの4年間はいかがでしたか。

iTLはキャンパスが新しく、設備も綺麗でとても過ごしやすい環境で学修をすることができました。図書室には、情報、法律分野に関わる蔵書が多く備えられ、多摩キャンパスの本館からも簡単に図書の取り寄せをすることができました。私は高校時代は文系でしたが、文系でもプログラミングが学べたり、インターネットの仕組み、情報セキュリティについても学べたりできました。1学年150人ということもあり、また、3・4年次の選択科目では少人数になることもあり、先生との距離はとても近く、先生と学生間で議論を深められました。
iTLは、2年次後期からゼミが始まります。「情報の仕組み」、「情報の法学」、「情報の国際文化」の3つの分野から興味ある分野を選び、研究テーマの設定などをしました。3年次後期には、ゼミの合同発表会、4年次前期には、中間発表会がありました。発表会では、他の分野に所属するゼミ生の発表を聞くことができ、iTLでの研究内容の多様性を感じました。自分のテーマについては、他分野の先生、ゼミ生からアドバイスを受けるなど違った観点から研究内容を見つめ直すことができ、とても参考になりました。

受験生へのメッセージをお願いします。

受験は人生において自分の進路を決断する初めての機会になる方が多いと思います。逃げずに、自分自身と向き合い、進路についてよく考えてみてください。悩んだ際は、一人で抱え込みすぎないように、家族、先生、友達など周りとも相談したり、大人に頼ったりしてみましょう。また、進路を決めるにあたっては、情報収集も非常に重要だと思います。
大学での学び、大学生活の環境、入試形態などよく調べる必要があります。「国際情報学部」といっても一般的な国際系学部とは異なると思います。ぜひこれを機会に、カリキュラム、パンフレットなどを参考に、何を学ぶ学部なのか調べていただけたらと思います。