国際情報学部

国際情報学部教授 須藤修の最終講義を実施しました

国際情報学部教授 須藤修は、2026年3月末日をもって定年を迎えます。

2026年2月26日、市ヶ谷田町キャンパス(対面・オンラインのハイフレックス形式)において須藤の最終講義を実施しました。

講義テーマは「MLからAIへ、そして次世代AIガバナンス」。
須藤はこれまでの研究・活動を概観した後、AIガバナンスの現状と将来の展望を考察しました。

これまでの研究・活動として、予防医療ML研究に端を発し、OECDやUNESCOなどで人間中心の原則を基本に据えたAI社会原則を提唱したこと、中央大学のELSIセンターを通して人間の尊厳を重視してAIに使われないようにするという人間の道徳とのアライメントを提唱したことなどを概観しました。

続いて、AIガバナンスの現状として、マルチモダルな統合的汎用人工知能の社会に向けての現状や留意点を述べました。
須藤はAIガバナンスの概念について、次のように見解を示しました。
「AIガバナンスの概念は、コンピュータが解する科学知と、個別の現場で人間の感情を踏まえて形成される臨床知を、連結させ相互作用させた上でAIに人間の世界を理解させるという人間の生の感情を交えた汎用人工知能の実現であり、かつその汎用人工知能は人間の尊厳を重視するものでなくてはならない。このような汎用人工知能を作り上げるためには、一つの学問だけを収めれば良いのではなく、専門は深く、専門以外は広くおさめ全てを有機的に統合させるような学問習得が必要である。」

最後に、AIガバナンスの将来の展望として、AIエージェントもフィジカルAIも新しい体制と変容すること、言語モデルのみを考察するのではなく、マルチモダルなAIやAIエージェント、商用モデル以外のモデルなどさまざまな知を全て取り込み広い領域にまたがる世界モデルとして汎用人工知能を構築する必要があることを説きました。このような汎用人工知能を作るために、人間は長い年月をかけて技術に熟達する必要があります。インターン制度やベーシックインカムなどを検討して、長期の視点で学生を育成する必要性も述べました。またAIに関わる来るべき経済秩序について言及され、主権のための新たな運営モデルを構築するには、AI技術に関しては、超大国とは別の形で、個々の国が意図的に基盤を構築し鍛えていく必要があることを解説しました。

自身の研究・社会貢献活動に始まり、大学の研究・教育体系のあり方や学生の教育制度、国家の方向性についても示唆され、深い洞察に満ちた最終講義でしたが、講義は終始卒業生との語らいなどを交えて和やかに進められました。

最終講義には本学部在学生、本学部須藤ゼミの卒業生、東京大学須藤ゼミの卒業生、本学教職員、友人など、150名以上が参加しました。