国際情報学部

国際情報学部で楽天モバイル株式会社執行役員技術戦略本部長の内田信行様をお招きし、講演会を開催しました

2022年07月15日

国際情報学部で楽天モバイル株式会社執行役員技術戦略本部長の内田信行様をお招きし、講演会を開催しました。内田様は、楽天シンフォニー株式会社のシニア・ヴァイス・プレジデントも兼務されています。

ご講演のテーマは「新規事業者としての電気通信業参入と楽天シンフォニーを含めた今後の海外事業戦略」。

国際情報学部では、5G等電気通信事業の技術面、電気通信事業法、電波法、個人情報の保護に関する法律も学びます。そんな国際情報学部の学びにあわせて、技術的な側面と、電気通信制度における事業者の苦悩についてもご講演いただきました。

ご講演の主なポイントは、電気通信事業の概況及び楽天モバイルの取組、楽天シンフォニーを含めた今後の海外事業戦略、新規事業者から見た電気通信制度の課題。
楽天モバイルは「携帯業界の民主化」をめざし、2020年に新たな携帯キャリアとして本格的なサービスをスタートし、当初の予定より約4年前倒しで2022年2月4日に楽天回線エリアの4G人口カバー率96%を実現しました。前例のない事業展開スピードと、世界でも類を見ない革新的なネットワークの構築についてご紹介いただきました。また、超高速・超低遅延・多数同時接続が特徴である5Gを使ったヴィッセル神戸のホームグラウンド「ノエビアスタジアム神戸」や楽天イーグルスの本拠地「楽天生命パーク宮城」で行っている選手情報・試合情報のAR表示やリアルタイムの混雑情報が映像で配信される実証実験や、人口カバー率よりも割合の向上が困難である「面積カバー率」において100%を目指すべく計画された低軌道人工衛星を活用した「スペースモバイルプロジェクト」等、新規参入事業者としてプレゼンスを高めるための先進的な取組についてもご紹介いただきました。
他方、技術面における先進的な取組と並行して、新規参入当時の電気通信に関する法制度では、既存事業者との公正な競争が困難であり、その状況の改善に向けた取組み等、技術面以外の局面での苦悩についても、直近の改正電波法も例にあげながらご説明いただきました。

大学の授業で、技術と法制度の理論を学ぶiTLの学生にとって、先進的な企業の具体的かつ実践的な事例の聴講は、自身の学修・研究の意義の再確認や、大学卒業後の進路選択に有用な機会だったのではないでしょうか。

ご講演の後には、質疑応答にもご対応いただきました。
学生と吉田准教授からの技術的な点に関する質問に対して、内田様は、現職のみならず前職における技術部門でのご経験が豊富であることもあり、それぞれの質問に具体的にお答えいただきました。
また、平野学部長からは社内公用語が英語であるグローバル企業としての楽天グループの社内の雰囲気に関する質問があがり、外資系企業でのご経験も踏まえ、楽天モバイル株式会社のグローバルな雰囲気について、お答えいただきました。

内田様のご講演後には、ご講演の中にあった「スペースモバイルプロジェクト」について、吉田准教授が学生に再度レクチャーする等、学生・教員の知的好奇心を刺激し、今後の学修・研究意欲を喚起する大変貴重な機会となりました。