国際情報学部

国際情報学部の学生が人工知能学会全国大会において論文を発表しました

2021年07月22日

国際情報学部3年津田敦哉さんと同教授 角田篤泰人工知能学会全国大会において、論文「クローズド・エンド型質問文の識別率の日英比較」を発表しました。

著者のひとりである本学部教授 角田は、複数の大学が連携して実施している法学部の授業で使用されている民事訴訟のロールプレイシステムを開発・運用しています。このシステムはWEB掲示板の形をとっており、受講生が作成したYesかNoで回答できる質問文(クローズド・エンド型質問文)に対して、教員が回答と添削を繰り返していくことで、弁護士にとって必要な具体的ケースに対する想像力を養うねらいがあります。
このシステムの利用の中で、質問文がそもそもクローズド・エンド型質問文どうかを自動的に識別して欲しい旨の利用者の声があり、機械学習によってその実現を目指す研究を続けています。

本研究では、その実現のための準備として、クローズド・エンド型質問文の自動識別にあたり、いくつかの典型的な機械学習や自然言語処理の技法を組み合わせて日本語文と英語文のどちらで識別性能が高くなるかを分析し、比較しています。

日本語文と英語文では文の構造に違いがあり、機械がそれぞれを読み取る際には、語順の自由度の高い日本語文の方が識別率が低くなる可能性が予想されますが、その仮説に反して、精度の高い組合せでは日本語文の方がその識別性能が高いという実験結果が示されました。

今後は、この原因を分析するとともに、本研究で導き出された結果をもとにして、先述の民事訴訟のロールプレイシステムの改良を進めることになります。