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2021年04月14日

国際情報学部の紀要「国際情報学研究」の創刊号が刊行されました

国際情報学部の紀要「国際情報学研究」の創刊号が刊行されました。

「国際情報学研究」は、<IT+Law>とこれを支える<グローバル教養>から成る「国際情報学」という学際的な研究分野の発展に寄与することを目的として創刊されたものです。
創刊号には、同学部の教員を中心として11本の論文が掲載されました。以下では、各論文の概要をご紹介します。

●飯尾淳「オンライン・バーチャルイベント支援システムの開発と運用」
2020年度はコロナ禍の影響で学会や研究会もそのオンライン化され、試行錯誤が繰り返された。我々は、オンライン学会を支援するOLiVESというシステムを開発し、いくつかのイベントで運用、システムの評価を行った。本論文はその概要について報告するものである。

●石井夏生利「『忘れられる権利』を巡る近時の議論―検索結果削除請求権を中心に―」
本稿では、「忘れられる権利」を巡る近時の議論について、欧州連合(EU)と日本の動向と比較し、法解釈上の論点を検討した。

●景山忠史「『政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準群』の現状及び見直しについて」
現在政府において見直し中である政府機関等のセキュリティ対策の基準に関し、クラウド利用やテレワーク拡大を中心に実運用を踏まえた論点整理を行うほか、ウェブサイトにおける運用型広告の表示の取り扱いについて解説。

●小向太郎「インターネット上の誹謗中傷と媒介者責任」
インターネット上の誹謗中傷が注目されている。SNS等の媒介者は、どのような場合に情報の削除等をしなければならないのか。法的責任に関する制度は、日米欧でかなり異なる。これらの比較に基づき日本の制度の課題を検討する。

●斎藤裕紀恵「EdTechの現状と展望―VR、AR、AI技術の英語教育への応用―」
本稿ではEdTech分野でも将来の高等教育機関の教育と学習に大きな影響を与える可能性が高いVR、ARとAIの教育、英語教育への応用、VR、ARとAIの各サービス例、VR、ARとAIが今後の教育、英語教育に与える可能性と課題について述べた。

●中島美香「グーグルのアンドロイドとEU競争法上の問題―欧州委員会の2018年違反決定書の概要について―」
2018年7月18日、欧州委員会は、米グーグル社のアンドロイドに関して、EU競争法に基づき、支配的地位の濫用に基づく違反決定を下した。本稿では、欧州委員会の違反決定書に基づき、EU競争法上の論点を整理している。

●Mariko NAKAMURA, Remote Access Investigation in Japan
本稿では、2011年にサイバー犯罪対策の一環として導入されたリモートアクセス捜査の現状を紹介し、その課題について検討している。この内容は、最新の最高裁判例も加えて、2021年4月に開催される国際学会で報告する予定である。

●橋本健広「詩人の成長と初期の詩の影響―クラスタ分析によるコウルリッジの初期の詩と後の詩の関連の考察―」
19世紀イギリス・ロマン派の詩人サミュエル・テイラー・コウルリッジが習作期に完成させた詩が、自身の後年の詩に影響を与えているかどうかを、クラスタ分類とテキスト読解により考察した。分析の結果、後年の主要な作品に、晩年に至るまで、初期の詩との関連が認められた。

●平野晋「AIのELSI―人工知能の<倫理的・法的・社会的影響>と、その研究の必要性―」
スタンリー・キューブリック監督作品「2001年宇宙の旅」(Metro-Goldwyn-Mayer 1968年)等の〈ナラティヴ〉を用いつつ、人工知能(AI)の研究及び実装に於いては〈ELSI:エルシー〉と呼称される「倫理的・法的・社会的影響」の研究教育が重要であることを紹介している。

●保坂俊司「歴史的情報としての聖徳太子―日本的寛容思想の基礎的研究 (1)―」
本拙論は、近年その評価が揺れている聖徳太子に関する考察である。聖徳太子への評価は、時代により、また立場により様々であるが、本拙論では聖徳太子の文字情報理解の背景にある近代日本特有の恣意的な、あるいは偏った解釈の背景を考察している。例えば、聖徳太子の思想表現で名高い「和」は、「(ワ)」なのか「(やはらぎ)」なのか?あるいは「憲法十七条」か「十七条憲法」か?

●楊曄・松野良一「アイスボーイ(冰花男孩)事件に関する中国ネット世論の形成―新浪微博の分析を通じて―」
2018年に中国のネット上で一気に話題になった「アイスボーイ事件」をテーマに「微博」上の言説を分析した。霜で頭が真っ白になった貧困地域の少年の運命、中国共産党と政府の政策、世論の動向などを考察した。