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見学調査報告書

タイトル:菅野ゼミ
調査日:2017年7月20日(木)
参加学生:3年生  15人
調査先:コクヨ株式会社

調査報告

本演習の目的は、企業が市場で成功する商品を開発するためのマネジメント上の重要な要因やメカニズムを探求することである。今回の見学調査では、コクヨ株式会社の東京品川オフィスを訪れ、コクヨのステーショナリー事業とファニチャー事業において商品開発がどのように行われているのかについて調査を実施した。
まず、コクヨのステーショナリー事業とファニチャー事業それぞれの事業において、どのような市場に向けて、どのような商品やサービスを提供しているのか、詳しいお話を伺った。ステーショナリー事業については、総合文具メーカーとして1万点以上の商品ラインナップを揃え、国内のリーダー企業として「革新力」や「編集力」をコアとして商品開発を行っていることを伺うことができた。また、アジアを中心とするグローバル展開についても、各地域の文化や慣習に応じて商品をいかに展開するのか、販売網が未整備の中でどのような販売戦略を実施しているのか、お話を伺った。続いてファニチャー事業については、オフィス用の家具や建材を開発するだけでなく、オフィスの内装設計や空間構築を顧客に提案・提供し、顧客に対する「働き方のコンサルティング」をトータルで提供していることを伺った。また、企業のオフィスだけでなく、病院、役所、学校など、さまざまな顧客の働き方や学び方に関する課題解決を提供していることを学ぶことができた。
最後に、ファニチャー事業とステーショナリー事業の商品開発担当者から、商品開発の実践についてご講演いただき、ユーザーの観察調査から、企画、プロトタイピング、営業・販売促進に至るまでの一連の流れについてお話いただき、それぞれのプロセスで実際にどのような工夫がなされたのかを詳しくご説明いただいた。また、毎年開催しているDESIGN AWARDの活用についてもご説明いただき、機能的価値から感性的価値に変容しつつあるユーザーの重視する価値を踏まえ、コンセプチュアルな商品を開発する重要性が高まってきていることを伺った。