学部・大学院・専門職大学院

谷口ゼミ 見学調査報告

調査日:2016年9月16日
参加学生数:3年生7人
調査先:株式会社一ノ蔵

調査の趣旨(目的)

東北地方でユニークな経営活動を展開している株式会社一ノ蔵の工場を実際に見学し、その経営戦略について説明を受けるとともに、震災後の復興努力を含め、質疑応答を行う。地域に根ざした中堅企業の経営戦略と日頃授業で行っている大企業のそれとを比較検討することは、学生の視野を広げる貴重な経験となる

調査結果

昭和48年、浅見商店・勝来酒造・桜井酒造店・松本酒造店が合同して設立された企業が一ノ蔵であり、以来「良い米を使い、手間暇をかけ、良い酒を造る」という姿勢を貫き、日本酒造組合が定める「手づくりの条件」を満たす伝統の技を生かし続けている。同時に第一次、第二次、第三次産業のそれぞれの数字を掛け合わせた造語である「一ノ蔵型六次産業」を経営方針として掲げ、「農業を中心とした新しい蔵元の形」を追求しているユニークな酒造メーカーである。またその製品戦略は、伝統にとらわれない革新的なものとなっている。
本ゼミでは日頃は日立、GEといった電機産業の巨大企業を研究しているが、地元に密着して独自の経営を行っている企業、一ノ倉の鈴木整社長(写真後列中央)の生の声に接するとともに、酒造りの工程を見学することによって経営の現場の姿を知ることができたことは、今後の研究に大きな刺激を与えることになったと思う。また、震災後の復興における苦闘の有様を直接聞くことができ、震災から立ち上がる不屈の企業家精神を学べたことも、学生にとって貴重な体験であったと考えている。