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林田 博光ゼミ 実態調査

調査日:2016年9月5日
参加学生人数:16人
調査先:株式会社 阪急阪神エクスプレス シンガポール現地法人チャンギノース倉庫

調査結果

 今回は東南アジア主要国で事業を展開されている、阪急阪神エクスプレス シンガポール現地法人様にシンガポールの物流事業についてお話を伺った。

 初めに、営業マネージャーの伊藤様から会社の事業内容:航空運送、海上輸送、通関業務、物流管理についてご説明をしていただいた。この会社は物流をコーディネートする利用運送業者であり、お客様に最適な物流を提案する国際輸送業者(フォワーダー)である。倉庫見学に備えるため、現地のオペレーション責任者のSam様から倉庫の概要説明も行っていただいた。

 次に、二つのトピックスについてのフリートークがあった。一つ目は、物流業務を行う上でアジアならではの業務障壁である。シンガポールは基本的に関税がなく、規制が少ないので、アジアの中でも障壁が低く感じたという。しかし一部の途上国は取引の文化が日本と異なるため、現地スタッフを雇う時に信頼できる人を選ぶよう気を付けている。二つ目のトピックスは、シンガポールのダイバーシティ推進である。シンガポールは古くからの政策により色んな民族が共存できる体制になっている。

 訪問の後半は倉庫をご案内させていただいた。シンガポールはアジアの貿易ハブとして有名で、この会社は調達物流と販売物流も行い、シンガポールに拠点のない会社(非居住者)にも荷受や在庫管理など、様々なサービスを提供している。なお、倉庫の一階には回転率の高い物を置いたり、医療や精密機械の部品は空調施設に保管したり、より良い環境を作るために工夫されていると思った。社員たちは、「物流はどれだけお客様の立場から考えるのが一番重要で、企業の市場進出のお手伝いする事にやりがいを感じる」というお話が印象に残った。

 現地でご活躍されている経験豊富な方々からシンガポールだけではなく、東南アジアの貿易環境や、取引で日本と異なる点など、様々なお話を伺うことができて、貿易・物流について学んでいる私たちにとってとても興味深いものになった。