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山田辰己ゼミ 実態調査報告

調査日:2017年2月10~15日
参加者学生:3年生10人

調査先:London、KPMG、IASB(International Accounting Standard Board)、Lloyd's、東京海上、RICS(Royal Institute of Chartered Surveyors)

調査の趣旨:ゼミ活動において、国際財務報告基準(IFRS)について学んでいるが、IFRSに関連する組織を訪ねて直接話を聞くことによって、IFRSについてより深みのある理解を得ることが目的である。これによって、IFRSをゼミ生自らの肌で感じ、自らの目で捉え、大学での、またこれからの人生での糧とできる経験を得ることができる。

調査結果

私達ゼミ生が上記に挙げた訪問先を調査することによって次のような成果を得た。

IFRSを作成する主体であるIASBでは、鶯地理事をはじめとする日本人スタッフから、IASBでの基準作りで腐心している点について、聞き取りを行った。

Lloyd'sでは、Lloyd'sの役割について聞き取りを行った。Lloyd'sは、保険会社ではなく、アンダーライター(保険リスクの引受者)とブローカー(保険リスクを回避したい「クライアント」の代理人)とが、損害保険の対象となるリスクに関する契約の交渉を行う場を提供する場であることを理解し、その歴史についても学んだ。特に、Lutine Bellの来歴を聞き、Loss Book(毎日の保険事故の記録簿)を実見した。

KPMGでは、英国におけるIFRSの適用状況及びBreditが今後英国社会に及ぼすであろう影響について聞き取りを行った。

RICSは、不動産や企業価値などの鑑定評価を行う組織であるが、IFRS第13号(公正価値測定)と密接に絡んだ領域の業務を行っていることから聞き取りを行った。RICSの業務内容及び国際的な評価基準であるIVS(国際評価基準)2017の内容についてききとりを行った。

このほか、IASBの鶯地理事と日本人スタッフ、さらに、今回Lloyd'sの訪問をアレンジしてくれた東京海上の現地駐在員を含めて夕食の機会を得、その場で、非公式な意見交換を行った。これを通じて、彼らがいかにプライドを持った活動を行っているかを実感することができ、ゼミ生が人生を考えるよい機会となった。また、英語の学習方法のコツや、ビジネスを行うに当たっての心構えなだ、多くのことを学んだ。

今回の訪問で、本やインターネットによる知識ではイメージできなかった部分について現地に行くことによって、理解することができた。
いずれの訪問先についてもゼミ生それぞれが自らに不足している部分を肌で感じ、グロ-バル社会で活躍するための努力をこれから行っていくうえでの基礎を作り上げることができた。
今後の学生生活については、社会をよりよく知り、会計以外の分野にも視野を広げ、よりよい社会の作成に尽力できる人材になっていこうと考えている。今回の調査は、そのようなきっかけを我々に提供してくれたと考えている。