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商学部
木立真直ゼミナール実態調査報告

訪問日時:2016年9月1日 10:00~12:00

訪問先:Yusen Logistics (Thailand)Co.,Ltd
2525 One, Two FYI Center ,2nd , 6th, 7th Floor, Rama4 Rd.,Klongtoey,
Klongtoey Bangkok 10110

テーマ:郵船ロジスティクスのグローバル戦略、Yusen Logistics Thailand の戦略と現状、 日本との輸出入に関する取り組み

ご対応者:副社長 徳平 裕様
バンコク営業部部長代理 葛生修一様
バンコク営業部兼メコン事業部部長代理 高島久舟様
同上 部長補佐 貞方宏文様

参加者:中央大学商学部木立ゼミナール 3年生 17名 教員 1名 計 18名

調査内容

今回の企業調査では、「郵船ロジスティクスのグローバル戦略」・「Yusen Logistics Thailand(YLTH)の戦略と現状」・「タイと日本との青果物の輸出入に関して」の、3つのテーマについて学ばせていただいた。 まず「郵船ロジスティクスのグローバル戦略」についてである。郵船ロジスティクスは、いわゆる航空機や船舶のような輸送ハードを所有する運送会社とは異なり、物流に関わるフォーワーダーとしてDoor to Doorでの輸送サービスを提案しコーディネートする企業である。現在、日本市場の動向をみると、デジタル家電をはじめメーカーの生産拠点が国外へ移転しているために、日本からの製品輸出が順調に伸びているわけではない。このような現状において郵船ロジスティクスの強みは、あらかじめ決められた輸送パッケージを提供するReady-Made方式のみではなく、顧客のニーズに応じてきめ細かい輸送サービスを提供するTailor-Made方式に注力している点にある。また中期経営計画にて7つの重点分野(プロジェクトカーゴ、自動車、航空機、ハイテク、ヘルスケア、リテール、食品)を設定し、注力している。

続いて「Yusen Logistics Thailand(YLTH)の戦略と現状」についてである。タイ国内においてYLTH は DHLに次ぐ2位という大きなプレゼンスを有している。その売上の多くが自動車関連であり、自動車生産部品の効率的な輸送サービスがYLTHの強みとなっている。一般的に、一人当たりのGDPが5000ドルを超えると自動車が普及し始めると言われており、タイのそれは現在、5400ドルを超え、自動車の普及率が急速に高まりつつある。また、タイでは、フリーゾーンにて製造する場合、国内調達率が4割以上であれば国内販売を行う際に関税が免税される制度があるため、工場を全てフリーゾーン化する動きがみられる。YLTHではこうしたフリーゾーンを活用したビジネスにも注力している。

また、YLTHの先行投資先である、メコンエリアについてのお話も伺った。ASEAN経済共同体が発足したことから、東南アジア域内での分業化が進むことが予想され、ここに物流のチャンスが生まれるということが期待される。しかしながら、ASEAN地域は通関手続きが域内で統一されていないことや、カンボジア・ミャンマーのように道路整備が不十分な国があるなど、課題が山積している。今後、メコンエリアでの事業を展開する上で、その課題の解決が望まれる。最後に「タイと日本との青果物の輸出入に関して」のお話を伺った。青果物の外輸出においては、鮮度保持が一番の課題となる。従来は鮮度低下を最小限とするために運送時間の短い航空便を使用していた。しかし関連会社であるNYKコンテナラインの鮮度維持技術であるCA技術(Controlled Atmosphere)の開発により、摘み取られたあとの青果物の呼吸(糖分の消費)を抑え、青果物の腐敗進行を大幅に遅らせることが可能となった。この技術により、従来より安価に且つ大量に鮮度を保った輸送が可能になったことが紹介された。今後は、小売価格の引下げを通して日本の青果物が海外の富裕層だけでなく、一般層から購入されることが期待される。 今回の訪問を通じて、普段接する機会の少ない物流という業界に関して知識を深めることができた。特に興味深かったのはCA輸送技術だ。CA輸送技術により、高級志向の一部の層に向け輸送していた従来の流通から、中間層へ日本産生鮮食品を届けられるようになった。それは日本産生鮮食品の輸出戦略の根底を支える画期的な技術であった。

また、国際物流においてタイを含め東南アジアの担う責任はとても大きく、今後も市場の成長が期待できる地域だということがわかった。実際に郵船ロジスティクスは、長年にわたって事業展開を通して培ってきた経験・ノウハウを活かし、自動車産業を軸にタイ国内でプレゼンスを示している。今回の訪問を活かし、製品のグローバル戦略を支える流通にも注目し、今後ものゼミ活動に励んでいきたい。

なお、貞方宏文様には、ご多用中にもかかわらず、本報告書の最終確認と修正についてご協力を賜りました。この点、心からお礼申し上げます。

(文責:小板橋 克志)

郵船ロジスティクス(タイランド)本社オフィスにて

郵船ロジスティクス(タイランド)本社オフィスにて
郵船ロジスティクス(タイランド)本社オフィスにて