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授業特別協力者(ゲストスピーカー)報告

タイトル

激変する物流への課題 ゲストスピーカー報告

本文

激変する物流への課題
一般社団法人 日本物流資格士会 会長  早川 哲志氏

授業日

2018年1月5日5時限

授業名

物的流通論Ⅱ

授業場所

8305教室

履修人数

220人

授業実施結果

日本物流資格士会会長の早川哲志さんに、激変する物流への課題というテーマでお話しをしていただきました。当日は、物流市場の現状、物流環境変化への対応として進展している事、課題とこれからどうなるのかという流れでお話しをしていただきました。
物流市場の現状では、物流機能の変化、国内物流量と物流金額の変化として、国内貨物生産財の減少・消費財の増加、人手不足、車両不足の現状、運賃の変化、労働事情の変化(給料や労働時間)、運輸業者数の推移ということでお話をしていただきました。
そして、物流環境変化への対応として進展している事として、国の総合的な施策である総合物流施策大綱の考え方について説明があり、さらに企業の動きとして、協業活動の動きの説明がありました。共同化として食品6社による共同物流会社FLINE、M&AとしてセンコーGによる業種を超えたM&A、業務提携として求車配車システムの導入、通販や流通業が独自に作る物による統合の動向が説明されました。機械化としても、ロボット、無人化、AIの活用が進みつつあることが説明されました。
このように取り巻く環境が大きく変化するなか、今後、物流は大きな変革が予想され、どのような展開するのかについて、次の2点の説明がありました。
1点目は、標準化であり、業務プロセスの標準化、業務システムの標準化、物流機器の標準化が進むということです。2点目は、AIの活用の高度化や多様化が変革エンジンになるということであり、両者が連動して、大きな変革が起きるだろうという説明がありました。
業務プロセスについては、AIによる圧倒的サポートが可能になる為、進化したERP(enterprise resource planning)の考え方が再度出てくることによって、商品開発、SCM(受給調整)、生産工程、資材調達等のプロセスが根本的に見直されるということです。業務システムについては、需要予測の人間がやる不確実性の確立がAIの統計計算や学習能力で圧倒的に正確性が増すということが起き、少人化・在庫削減に加えて生産や新製品計画等にも影響すると考えられるということです。物流機器の標準化については、パレット、クレートが普及し、循環型の仕組みがより広がる、RFID利用の拡大が進み、多種多様なロボット化が始まるということが指摘されました。
最後に、第4次産業革命と言われる変化の中で、物流は大きく変化しようとしており、そのなかでいかに知恵を出すかが運命のカギを握っており、今こそ物流に携わる人の創造力が必要な時だという説明がありました。