総合政策研究科

博士前期課程における研究指導

研究基礎科目

専攻分野に関わらず研究活動の基盤となる研究倫理や「調べる・読む・書く・伝える」といった基盤的知識・技能を「リサーチ・リテラシー」で修得します。また、政策・文化研究に必要な、既存の専門領域において中核となる基礎理論を集中的に学び、政策分析能力・異文化理解能力の基礎を養成します。「総合政策フォーラム」では、広範な分野を専攻する教員が積み上げてきた研究方法・手法・工夫や考え方を直に学び、広い価値観や学際的視座の獲得に繋げることを目的としています。

研究発展科目

(1)法政と経済

財政、金融、雇用、環境などの政策的な観点から社会を見た場合、法、政策、経済は綿密な関係を有していることがわかります。さらに文化などとも密接な関連を有しています。内外の法、政策および経済から、現代の社会構造の分析能力を修得し、社会の諸問題に対してどのような役割を果たすかを研究し教育します。

(2)ビジネス政策

日本の企業の発展なくして日本の将来はありえず、国際化時代のもと、多国籍活動を強化せざるをえません。この分野では、企業間の国際的提携、海外投資、ベンチャービジネスの設立・経営などの具体的戦略実践を学び、実際の経営能力が高まるよう経営戦略、組織、人事、ファイナンス、マーケティングなど各分野にわたり経営管理の研究と教育を行います。

(3)現代世界

激動する現代世界において、都市、環境、安全ネットワーク等の問題をはじめとして我々の身の回りで起きている数々の諸問題を、一つの国や考え方の中で完結させることは不可能となってきています。そのため国際関係を含めて複合的に現代社会を見つめることが必要不可欠となっています。そこで文理融合も踏まえて、広い分野から複眼の思想で研究・教育を行います。

(4)文明と国家

世界各地の固有の価値観および国家・社会観の多様性を把握し、人類全体の共存と幸福に向けてのパラダイムと方策を探るためには、比較文明論・比較文化論的な視点が不可欠です。この分野では、宗教、言語、民族などをめぐるアジアをはじめとする世界の問題を取り上げ、文明と国家に関する研究と教育を行います。

(5)アジアの歴史と文化

アジアにおける諸問題の解明に当たっては、人間諸集団や地域の特色を認識することが重要です。歴史的に形成されてきた諸文化の個性と、相互の摩擦・衝突・調和・交流といったプロセスとを、時間と空間の概念の中に位置づけながら、人間文化に基づく新たな将来世界構想のパースペクティブを追究します。

研究応用科目

「演習(総合政策セミナー)Ⅰ」では、指導教授による修士論文執筆のための指導を行い、前述の「演習(総合政策セミナー)Ⅱ」では、一定の研究テーマの元に専門領域を異とする複数教員が集まり学生を指導する“共同演習”の形態をとっています。複数の教員が1つの授業に集まる形態は“総合政策研究科ならでは”の形式であり、1度に様々な視点から指導を受けることは研究活動をより効率的・効果的に進めることを促進すると共に、広い視野で物事を俯瞰する力や十人十色の価値観を受け入れる力も飛躍的に向上させることができます。