総合政策学部

【総合政策学部】基礎演習Ⅰ(川口康裕特任教授担当)において、公益社団法人全国消費生活相談員協会 坪田郁子専務理事をお招きし、特別講義を行いました

 6月7日(金)4時限に行われた基礎演習Ⅰ(担当:川口康裕特任教授)において、公益社団法人全国消費生活相談員協会の坪田郁子専務理事を講師としてお招きし、「消費者ホットライン188と消費生活センター」について講義をいただきました。 

 川口特任教授が担当する基礎演習Ⅰでは、「18歳から大人ー『成年年齢引下げ』の政策形成過程」をテーマに、参加者がいろいろな角度から掘り下げた調査を行い、発表する演習を行っています。この日は、若者の消費者トラブルの実態を豊富な実例によって紹介していただくとともに、都道府県、市区町村に設置され、消費者への助言や事業者とのあっせんを行う消費生活センター及びその入り口としての3桁の電話番号188について説明をいただきました。 
 坪田専務理事は、飯田橋にある「東京都消費生活総合センター」で主任相談員を務めていたベテラン消費生活相談員で、消費者庁に任期付き公務員として5年間勤務した後、現在は、全国の消費生活相談員を主な構成員とする同協会の専務理事として活躍されています。政府の審議会や、独立行政法人国民生活センターの行うADR(裁判外紛争解決手続)である紛争解決委員会の委員も務められています。
 若者の消費者トラブルの実態については、同協会が行っている「週末電話相談」をもとに、ダークパターンにより申し込みをさせられる定期購入、中途解約しても僅かしかお金が戻らないエステや一切返金に応じないパーソナルトレーニング、高額なキャンセル料の美容医療、成人になったばかりの若者にマルチ商法であることを隠して勧誘する「後出しマルチ」、借金をさせて高額を支払わせる詐欺的副業ビジネス、法外な費用を請求されるレスキューサービスなど、様々なトラブルについて、「こんな相談ありました」と、わかりやすくご紹介をいただきました。また、最近は、SNS、ステルスマーケティング、アフィリエイト広告などのデジタル勧誘をきっかけとしたトラブルが多いとのことでした。
 全国の消費生活センターで受け付けた相談は、消費生活相談員により全国を結ぶ共通のオンラインシステム(PIO-NET)に入力され、法律の制定や改正、消費者庁等による行政処分、消費者への注意喚起などの基礎情報として活用されているという説明もありました。 
参加した学生からも、ADR、国境を越えた消費者問題の解決方法、消費生活相談員の資格制度、ステマ規制の問題点などの質問があり、活発なやりとりが行われました。

総合政策学部特任教授 川口康裕は、行政官としての実務経験を活かし、行政学Ⅰ・Ⅱ、パブリックインターンシップなどの講義や演習を担当しています。

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