ビジネススクール

博士課程(DBA)在学生 田端洋さんと松下光司教授の共著論文が日本広報学会 研究奨励賞を受賞

2023年11月24日

●概要

2023年10月14日(土)、中央大学ビジネススクール(CBS)博士課程(DBA)在学生 田端洋さんとマーケティング分野 松下光司教授との共著論文が、2023年度(第18回)日本広報学会賞 研究奨励賞を受賞しました。

田端洋さんと松下教授の共著論文、 「田端洋・松下光司(2023)「革新的な製品の欠陥が企業への態度に及ぼす影響―企業イメージと製品イメージの一致による交互作用効果」は、2023年 『広報研究』第17巻に、査読委員による査読を経て、論文のカテゴリーにすでに掲載されています。

2023年度の日本広報学会賞は、2022年4月1日から2023年3月31日までに公開された図書・論文を対象として、審査員会による審査によって決定されました。今回の受賞は、広報学会に掲載された上記の論文に対して与えられたものです。
 

(注)学術雑誌『広報研究』は、日本広報学会によって、広報・コミュニケーションに関する学術的・実務的研究の発展および普及を目的として、年1回発行されている学会誌です。

●論文の内容
製品に欠陥が生じることで、ステークホルダーが製品の提供元である企業に批判を向けることがあります。先行研究では欠陥が生じる前の企業イメージが欠陥によるダメージを軽減することが示されていました。しかしながら、欠陥が生じたとき、企業に対する態度がネガティブになりにくくなる企業イメージは、欠陥をもたらす製品イメージごとに異なるのかが示されていませんでした。

そこで、本研究は「一致」という概念を導入して、欠陥製品が企業に対する態度に与える影響が、企業イメージだけでなく、製品イメージによっても変化することを検証しました。実験の結果、刺激的なイメージの企業によって革新性が高いイメージの製品が導入されたとき、両者の一致度が高くなるため、欠陥の発生後の企業への態度のスコアも高くなることが明らかになりました。

この結果は、刺激的な企業イメージを強化してステークホルダーに伝えることは、欠陥発生時に企業へのネガティブな態度を軽減する手段になるだけでなく、革新的な製品の導入をサポートする方法となることを示しています。
 

●審査講評(広報学会ウェブサイトより抜粋)
本論文は、企業イメージと製品イメージの「一致」という概念に着目し、製品の欠陥によって引き起こされる企業全体に対するダメージが、欠陥をもたらす製品の性格・革新性によって異なることを実証的に示した研究である。本論文の研究方法は、消費者行動研究における実験分析手法の広報研究への応用である。新しい研究手法を広報研究の分野に持ち込んだ意欲的論文であり、内容、手法の独自性とともに、実証手続きとデータ管理の手際も洗練底されている。広報分野の研究手法に広がりを感じされる論文である点も大いに評価できる。ただ、革新的製品の定義や、企業イメージと製品イメージの一致と一口に言っても、実際には多様であり、その多様性をどう扱うかなど、本研究の発展に関わる課題も抱えているが、今後も継続的に研鑽を積まれることを期待して研究奨励賞を贈賞することとした。

https://www.jsccs.jp/activity/award/202318.html
 

●広報学会のウェブサイトと論文の全文は以下のリンクからご覧ください。

https://www.jsccs.jp/ https://www.jsccs.jp/publishing/research/.assets/CCS27-tabata.pdf

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