ビジネススクール

三つの方針

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

養成する人材像

 博士後期課程である戦略経営研究科ビジネス科学専攻は、中央大学のユニバーシティメッセージである「Knowledge into Action」に基づき、実践的なテーマについて、経営戦略を中心に関連諸分野の知識を “ 総合 ”し、適切な処方箋を示し実行できる高度専門職業人を養成します。
 具体的には、企業経営者や、企業幹部(人事・マーケティング・法務・財務など)、企業の意思決定をサポートする専門職(弁護士・会計士・税理士など) 、実務家研究者(コンサルタント・シンクタンク研究員) 、専門職大学院の実務家教員を養成します。

修了するにあたって備えるべき知識・能力・態度

博士(経営管理)(Doctor of Business Administration)学位:
 所定の教育課程を修め、「総合的マネジメント力」を身につけ、一般に経営学における経営管理の観点から、体系化された研究を実行できる知識・能力を身につけた人材に対し、当該学位を授与します。

博士(学術)(Doctor of Philosophy)学位:
 所定の教育課程を修め、「総合的マネジメント力」を身につけ、経営管理の範囲にとどまらない学術的な研究を実行できる知識・能力を身につけた人材に対し、当該学位を授与します。

 戦略経営研究科ビジネス科学専攻が想定している「総合的マネジメント力」とは、戦略経営に関するアカデミックな知見や研究方法論に関する深い理解に基づき、実務上の課題を自ら設定し解決する能力です。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

カリキュラムの基本構成

 大学院博士後期課程ビジネス科学専攻においては、職業に就きながら博士の学位取得を目指す学生のために、十分な研究能力が身につくような配慮を行い、講義の他に、リサーチメソッドや研究指導をカリキュラムの中核として位置づけています。
 博士(経営管理)(Doctor of Business Administration)学位取得を目指すものに対しては、「総合的マネジメント力」を身につけ、一般に経営学における経営管理の観点から、体系化された研究を実行できる知識・能力を身につけられるように、また、博士(学術)(Doctor of Philosophy)学位を目指すものに対しては、「総合的マネジメント力」を身につけ、経営管理の範囲にとどまらない学術的な研究を実行できる知識・能力を身につけられるように体系的にカリキュラムを構成しています。このため、「研究指導」を中心としながらも、分析を行う際に必要な「リサーチメソッド」や、テーマ別に研究を深めるための、の各分野の領域にわたる「講義(特別研究)」を配置した構成になっています。「講義(特別研究)」は、博士(経営管理)(Doctor of Business Administration)学位取得を目指すものに対しては、戦略、マーケティング、人的資源管理、ファイナンスの一般に経営学における経営管理を学ぶために必要な4分野についての講義が、博士(学術)(Doctor of Philosophy)学位を目指すものに対しては、経営管理の範囲にとどまらない学術的な研究を行う知識を身につけるために経営法務の講義が配置されています。
 「戦略経営に関するアカデミックな知見や研究方法論に関する深い理解に基づき、実務上の課題を自ら設定し解決する能力」である「総合的マネジメント力」を身につけるため、研究テーマについては、現実のビジネス社会に対応できるように社会人学生が遭遇している、または遭遇する可能性の高い課題を選定するように指導をしています。具体的な研究を実施する際には、所属企業や、テーマに関連する産業分野や研究機関、他の専門職大学院などと連携した研究も実現しています。

カリキュラムの体系性

 大学院博士後期課程ビジネス科学専攻の学位は、3年以上在学し、かつ16単位以上修得し、必要な研究指導を受けた上「博士論文」の審査及び最終試験に合格した者に対して授与します。標準修業年限である3年での修了を前提として、カリキュラムは以下のように体系づけられています。

1年次:
社会人学生が、研究・論文作成を行うのに十二分なリサーチ手法をまず身につけるため、「リサーチメソッド」科目(統計学、ファイナンス統計、社会調査法、ケース研究法、研究方法論基礎)のうち2単位1科目を選択必修としています。また、博士論文作成のための主指導教員の指導を受ける必修科目である「研究指導I」を1科目4単位履修します。指導を受けたうえで、1年次修了時に博士論文のテーマに関するサーベイ報告書を提出します。

2年次:
引き続き、博士論文作成のための指導を受ける必修科目である「研究指導Ⅱ」を1科目4単位履修。また、年に2回の課程博士学位候補資格認定試験(キャンディデイト試験)が実施され、研究業績に関する出願条件を満たしたものは、試験に合格すると課程博士学位候補資格を得ることになります。

3年次:
引き続き、博士論文作成のための指導を受ける必修科目である「研究指導Ⅱ」を1科目4単位履修し、博士論文の完成を目指します。

なお、「講義(特別研究)」については、2単位1科目を選択必修としますが、社会人の本務状況を考慮し、特に配当年次の指定は行っていません。

入学者受け入れの方針(アドミッション・ポリシー)

求める人材

大学院博士後期課程ビジネス科学専攻では、戦略経営に関するアカデミックな知見や研究方法論に関する深い理解に基づき、実務上の課題を自ら設定し解決することを目指している人材を求めています。
具体的には、

  • 企業で既に経営の一端を担い、かつ実績をあげており、これまでの専門性を集大成するための論考の作成を行いたいと考えている人
  • 経験的知識としてビジネスに関わる知識を十分に持っているが、これまで蓄積した暗黙知を理論的に整理し、学術研究・高等教育のキャリアへの移行を考えている人
  • 環境の変化と社会的な要請を重視しながら、実践的で応用性の高い研究に取り組みたい人
  • 日常的な業務において直面する実務的な課題を持ち、専門性を保ちつつも、より広い「総合的な」視点に立ち、「実践的な」研究を行いたい人を想定しています。

大学院博士後期課程ビジネス科学専攻では、上述の人材像に即して入学前に以下の知識・能力を有していることが求められます。

  • 知識を活用し、課題の発見、解決にいたるプロセスを見つけるための論理的思考力
  • 論理的な思考により構築した理論を他者に理解させるための文章力
  • 理論・意見・主張を他者に伝え、訴えるための表現力
  • 海外での先行研究等を調査するための語学能力

また、上述のような人材像を想定しているため、入学時点で就業経験5年以上という出願条件を設定し、いわゆる修士新卒者(社会人としての就業経験が無い修士相当課程修了者)の受け入れは行なっていません。