毎年、環境経済学を専門とするゼミが一堂に会して、ゼミ論文の報告会を開催しています(※1)。第12回大会となる今年は、2025年12月6日(土)に中央大学で開催されました。今年の参加校は、成蹊大学、神奈川大学、立教大学、中央大学から合計10チームの研究発表がありました。
10チームと指導教員の投票により、中央大学第2班「医療廃棄物の透明な処理システムの構築」が最優秀賞、中央大学第1班「インドネシアにおける使用済み紙おむつリサイクルシステムの構築」が優秀賞と初めてのダブル受賞となりました。中央大学の最優秀賞の受賞は3年連続となります(※2)。

大会参加者の全体写真
これらの報告は、経済学部のグローカル・フィールド・スタディーズ(※3)の一環で実施したインドネシア・ジャカルタ等でのアンケート・ヒアリング調査を基に実施した報告となります。
最優秀賞の中央大学第2班の報告は、インドネシアの医療廃棄物管理における主要課題を整理し、補助金制度と電子マニフェストを組み合わせた新たな管理枠組みの可能性を示したものです。現地調査により住民の環境リスク認識と約5,000ルピアの支払い意思が確認され、公衆衛生維持費を財源とする補助金制度は、透明性と財政面の双方で実行可能性が高いことが明らかにしました。また、スマトラ島で必要となるインフラ整備と補助金支給は、3年間の税収で十分に賄えることが示され、制度の持続性も確認されました。