経済学部
経済学部「国際公共政策」において、会計系コンサルティングファーム所属の沖田様にお越しいただき特別講義が行なわれました
2025年11月20日
2025年11月6日(木) 経済学部の講義「国際公共政策」において、Big 4と呼ばれる会計系コンサルティングファーム所属の沖田様にお越しいただき特別講義が行なわれました。沖田様は佐々木ゼミに学び、2017年に経済学部国際経済学科を卒業した、本学のOBです。
学生時代を振り返るうえで、沖田様が最も強調していたのは、「経験が価値観とキャリアを形づくる起点になる」という点でした。特に大学4年次に1年間休学し、インドネシア政府の国費制度を利用して留学した経験は、人生を大きく変える転機になったと語られました。

講演の様子
その留学では、言語習得や文化理解といった学術的な学びに加え、現地で築いた人間関係や、生活を通して得られた原体験が後の研究に深みと説得力をもたらしたと述べられました。また、多様なバックグラウンドを持つ友人との出会いによって、自分の中に無意識に存在していた「当たり前」や「こうあるべき」という規範が揺さぶられ、価値観が大きく開かれる瞬間が生まれたそうです。
さらに、慣れない環境で生じた困難を乗り越える過程で、「レジリエンス(逆境から立ち直る力)」が身についたと振り返られました。言語が通じない場面や生活の不便さ、文化の違いから生まれる衝突など、日々の小さなハードルをどのように乗り越えるかが、精神的な強さを育てる重要な経験になったと説明されました。
こうした一連の学びが、「社会の課題を現場で見たい」「国際的なフィールドで働きたい」という思いを抱くきっかけとなり、キャリア観の形成に直接つながったと述べられました。学生時代の経験がその後の進路選択に影響を与えるプロセスを具体的に示した点は、本講義における大きな示唆となりました。
沖田様のコンサルタントとしての仕事は、ロジ調整、勉強会企画・運営、調査資料作成など多岐にわたります。加えて、書籍を執筆することや、外部セミナーに登壇することもご経験されています。
今回の講義にあたり、沖田様は改めて「なぜこの仕事をしているのか」について、以下の点を挙げられました。
・社会を変えられるから
今のクライアントは大企業や官公庁が大半であり、一つの大企業が変われば業界が変わる、また官公庁が変われば、ルールをつくれば、国・社会が変わる、と考えられています。
・個人、会社、チーム、チームメンバー等のパーパスが重なり合っているから
“100年後の人類社会をより良くする“という沖田様のパーパスと所属企業のパーパス、チームのパーパス、メンバーのパーパスが重なり合っているため、同じ方向を向いて仕事ができる。
・力がついている実感がある(成長ができる)
沖田様は、キャリアを学生時代の原体験から形成してきましたが、今後のキャリアについては常に悩み続けているとのことです。
最後に今回のご講演では、学生時代の原体験がその後のキャリアを形づけるきっかけになることや、自分の興味関心をどのように仕事へつなげていくかを主体的に考える重要性が語られていました。授業後半には質疑応答を交えてお話しいただき、就職活動中の学生にとって多くの学びが得られるものでした。また、学びをすぐ行動に移していく姿勢は、キャリアに限らず、今後の大学生活や普段の取り組みにおいても刺激を受ける点が多くありました。
また、講義終了後は佐々木創ゼミに参加いただき、プレゼン大会に向けてコメントを頂きました。プレゼンテーションの構成に加え、論点の整理や主張の一貫性に関する的確な質問、過去のゼミ活動や現在のコンサルタントのご経験から有益な指摘を頂きました。(文:佐々木創ゼミ 押川莉菜、岸真侑加、蛸井芽依、村上優奈)

ゼミの様子
