経済学部

金融論Iにて環境省の皆さまによるESG金融の特別講義がありました

2024年12月19日、経済学部の近廣昌志(ちかひろ・まさし)准教授が担当する「金融論Ⅰ」において、環境省の環境金融推進室の皆さまをお招きし、ESG金融についての特別講義が行われました。5名いずれも金融機関から出向されている方々です。 前半ではそれぞれがご出向元の金融機関や関わりの深い業態について解説がありました。

愛媛銀行より出向されている日野さまが銀行について、日本生命の矢澤さまが生命保険事業について、損保ジャパンの瀬川さまは損害保険について、その成り立ちや事業領域のほか、ESGとどのような関連があるのかを短い持ち時間の中でお話くださり、岐阜信金の山口さまは学生に馴染みのないリース業について、それがなぜ金融なのかというところから解説してくださいました。

そうした説明のなかで、「お客さん(企業等)が元気(稼げている)だと銀行にとってもプラス」「お客さんが元気(健康)だと生命保険会社にとってもプラスなのでヘルスケア領域にも力を入れている」「ESG金融を通じたSDGs等の達成への寄与で社会や地域が潤えば、その会社も潤う」など、個人や社会が長期的に元気であることにはメリットがあるという見方が共通していました。

 

最後に日本銀行の平良さまが登壇されました。

「学生時代を振り返ると、自分の質問ぐらいしか、授業の記憶は残らない」と、学生から寄せられる質問に期待しながら、ESG金融についてそもそもなにかということから日本の金融構造、G20によるロードマップなど、包括的に解説をしてくださいました。

「リーマンショックにより、それまで投資の視点が短期的だったこと、長期的な視点を持つならば環境の変化やそれへの対応も見込まねばならないことに気づいた」「(今後どう推進していくかは)法律を使って当局が規制していくよりは、技術の発展・活用の観点からも民間の自発性が期待される」など、ポイントが簡潔で分かりやすい言葉でまとめられ、学生にとって非常に聞きやすい講義でした。

学生たちからは「銀行が融資するESGの基準、なにを見ているのか」「機関投資家にESG専門の人材が少ないと耳にしているが、そうした人材の育成にも携わっているのか、プログラムなどはあるのか」「火災保険について赤字が出ていてメリットなさそうだがなぜ運用しているのか」といった質問が時間いっぱいまで寄せられ、皆さまが丁寧にお答えくださいました。