経済学部

公開授業『家電ベンチャーUPQを通して見る「ものづくり」』を行いました

2017年02月06日

株式会社UPQ代表取締役 中澤優子氏

 経済学部の「国際公共政策」(担当:佐々木創准教授)の授業の一環で、中央大学のOGである株式会社UPQ(※1)の代表取締役・中澤優子氏をお招きし、12月22日(木)に公開授業を行いました。
 中澤氏は2007年に中央大学経済学部卒業後、カシオ計算機㈱にて携帯・スマートフォン商品企画に従事。退職後の2013年にカフェ開業。2015年7月、株式会社UPQ設立。現在UPQは、スマートフォン、折りたたみ電動バイクなど8カテゴリー、41種、64製品を製造する今最も注目されている家電ベンチャーの1社です。
 「文系女子が家電ベンチャーを立ち上げる」とマスコミに取り上げられることも多い。しかし、カシオで商品企画→仕様設計→営業といった上流から下流までを一貫して担当した経験がUPQで活かされている。「大手で学ぶことは沢山ある。就社ではなく就職であり、スキルを身に付ける」ことの重要性を、後輩である学生に冒頭に強調した。
 企画構想より2ヶ月で17種類24製品を揃え「UPQ」ブランドを発表するまでの過程は、「固定概念に囚われない」で取り組んだことが奏功したという。例えば、OEM(original equipment manufacturer)先である中国メーカーに対しても、当初は製品模倣の危惧や安全性が低いイメージがあったが、今では「ものづくり」精神で意気投合した優良な製造工場に出会えたことや、UPQの面白い製品で「店舗に人を集めたい」という大手量販店のニーズとも一致したことなども、具体例としてご紹介頂きました。
 講演後の質疑応答では、学生から多数の質問が出ました。なかでも製品企画をする際にマーケティングは行っているか?という質問に対しては、マーケティング調査は行わず、自分のような人間“でも”欲しいと思える製品を開発していることを強調されていました。大手メーカーのようにシェア拡大を追わず、むしろ売り切れ御免で攻めて、消費者に『次は一体、何が出てくるんだろう』という期待感を持ってもらうことが重要であり、IoT(Internet of Things)時代のベンチャーだからこそできる挑戦の仕方で「昭和からのものづくりの魅力」を伝えていきたい、とご講演を締めくくりました。
 現在、第4次産業革命やIoTが進展し、「ものづくり」そのものが大きく変化している反面、日本企業の出遅れが経済産業省を中心に指摘されている中、AppleやXiaomiと類似した日本発のビジネスモデルとして、今後のUPQの動向が注目されます。
 

(参考)