法学部

<予約不要>12月12日(金) 法学部講演会開催のお知らせ

12月12日(金) 4限、茗荷谷キャンパスにて、ゲストスピーカーをお招きし法学部講演会を開催いたします。
予約不要となりますので、ご興味のある方はぜひお越しください。
どなたでもご参加いただけます。

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講演者:増田 是人 氏 元外務省在ヌメア(ニューカレドニア)領事事務所長兼領事                            

日時:12月12日(金) 15:10~16:50(4限)

会場:茗荷谷キャンパス 1W01教室
テーマ:「21世紀の植民地問題:モーリシャスのチャゴス諸島返還実現と、出口の見えないニューカレドニア

〈講演会について〉
 講師は外務省にて仏語圏の各国大使館勤務を経てニューカレドニアの在ヌメア領事事務所創設に携わり、初代所長も務めた。
それらの経験を踏まえ、講演ではアフリカ東部のモーリシャス共和国と南太平洋のニューカレドニア(フランス海外特別領土)を取り上げる。モーリシャス共和国については今年5月に英国政府と合意に至ったチャゴス諸島の返還について、ニューカレドニアについては昨年5月13日に発生した暴動の原因と出口の見えない複雑な状況について解説する。
今日の国際社会における最新のトピックに触れるものであり、国際法のみならず、国際政治、外交に関心を有する学生に大きな気付きと示唆を与えるものと考える。 

〈講演要旨〉
1945年、国際連合が創設された以来、かつて欧米列国により植民地支配もしくは信託統治取り決めのもとにあった100か国近くの国々が独立し、主権国家として独立した。しかし21世紀に入っても、いまだに植民地支配のもとにある地域が200近くあり、国連は、非自治地域で自決を達成できるよう支援を続けている。1960年の国連総会決議(1541)によって非自治地域は完全自治の実現に向け取り組んでいる。本講演では、講師が在外勤務したアフリカ東部のモーリシャス共和国とフランスの海外特別領土である南太平洋のニューカレドニアをとりあげたい。モーリシャス共和国については、今年5月に遂に正式に英国政府と合意に至った「チャゴス諸島の返還」について、同諸島内にある軍事基地の重要性と、2019年の国際司法裁判所(ICJ)の歴史的勧告に触れつつ説明したい。また、ニューカレドニアについては、フランスにとっての同島の重要性に触れつつ、先住民カナクの独立運動にいたる歴史的経緯に触れつつ、昨年5月13日にニューカレドニア本島で発生した暴動の原因と、出口の見えない複雑な状況について解説したい。

〈講師プロフィール〉
増田 是人 氏 元外務省在ヌメア(ニューカレドニア)領事事務所長兼領事

1985年 中央大学法学部政治学科卒業。1990年 外務省中途採用。フランス、カメルーン、チュニジア、マリ、モーリシャス、仏領ニューカレドニアの在外公館に勤務(専門職扱い)。国際交流基金ジャポニスム事務局長(出向)、2023年1月から2024年3月、在ヌメア領事事務所長兼領事。政治、開発協力、広報文化事業に実績がある。ニューカレドニアの在ヌメア領事事務所はゼロベースから立ち上げた新設事務所であり、初代所長をつとめた。外務省高校講座を中心に全国の高校や大学で多数講演活動(テーマはSDGsの課題、異文化理解の重要性、日本の文化外交等)、若い世代の国際的視野を広げるグローバル教育活動をライフワークとしている。