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人的資源管理論において、日揮ホールディングス株式会社専務執行役員CHRO 花田琢也氏による講演を実施

2025年11月12日

2025年11月8日(土)、中央大学ビジネススクール(CBS)MBAプログラム基礎科目「人的資源管理論」(担当:島貫智行教授)において、日揮ホールディングス株式会社専務執行役員CHRO 花田琢也氏をお招きし、講演を実施しました。

●概要

経営戦略と人事戦略を連動させる戦略人事は「人的資本経営」の最重要課題です。戦略人事を中核とする人事変革について、日揮ホールディングスCHROである花田氏に、8つの重点施策「船中八策」から、人材ポートフォリオや「人材育成の四重奏」、「3人で分ける部長職」、社員の資質の見える化、パーパスジャーニーなどの具体的な取組みをお話しいただきました。質疑応答も活発に行われ、受講生にとって授業で学んだ考え方を実際の企業事例に適用することで理解が深まるとともに、戦略人事の実践を考える貴重な機会となりました。

●受講生の感想(一部抜粋)

・講義でも事業戦略と人事戦略の連関の重要性を学びましたが、その実例をご紹介いただいたような講演でした。事業戦略と人事戦略の紐づけから始まり、「Whyから考え、実現するためにWhatとHow toを考えていく」ことの重要性を学ぶことができました。
・全ての物事において、why(目的)→whatが明確な取組の姿勢がとても参考になりました。自社にどういう人財が必要なのか、戦略を練られた上で、人の資源の見える化を行い、花田さんがリーダーシップを発揮しながら目標に向けて社員を動機づけている姿に、すべての力を結集して目標に向かうためのあるべき姿を見ることができました。
・戦略人事は経営戦略を「人を通じて実現する設計活動である」ことを実感しました。人材を単なるリソースでなく変革の主体として捉える実践であり感銘を受けました。
・経営戦略と人事戦略を一体化するには、制度やスキルの整備だけでなく、パーパスの自分ごと化や社員一人ひとりが自らのWillを描ける環境づくりが不可欠であることを学びました。人を管理するのではなく、人を信じて活かす方向への転換こそ、戦略人事の真髄だと感じました。
・人事戦略をしっかりと落とし込むためのパッションを感じ取ることができました。人材グランドデザインのビジョンとして見える化する、パーパスジャーニーとして自分ごと化する、ソーシャルスタイルを分析するなど実現に向けた行動力が素晴らしいと思いました。
・学んできた理論が実践という現場でどう格闘しているのかを突き付けられる内容でした。人を動かすための戦略的な仕掛けそのものであり、人事部が単なる管理部門ではなく、事業部門と対等な「戦略的パートナー」として機能している好事例であると感じました。
・「このひとであれば」という人間性を信じることが人的資源管理の根底にあるのだなと痛感しました。人事を熱く明るく語っていくことで前向きに人事変革に取り組んでいけるという心理的安全性の醸成が重要であることが認識できました。
・人事部門が、事業を後からサポートするリアクティブな存在ではなく、経営のビジョン実現に向けて先手を打つプロアクティブな存在となっている点が印象に残りました。
・パーパスジャーニーを通じて企業のパーパスと個人の志を重ね合わせる取り組みは、社員一人ひとりの内発的動機づけを高めるうえで非常に効果的だと感じました。制度設計にとどまらず、文化・風土までを含めた長期的な人事戦略の重要性を学ぶことができました。
・トップダウンでなく、部長達に考えさせてWhy(なぜやるのか)を問いたこと、場のセッティング、良い意見をリスペクトすること等、自社に取り入れたいヒントが沢山ありました。
・人事部の役割を明確に捉え、しっかりとビジョンを出し、それに対して実践をしている点が素晴らしいと感じました。会社全体を人財という面で牽引している印象を受けました。
・人事の本来の仕事は「社員が何を望んでいるか」、そして「未来の社員は何を望んでいるか」を考えていくことが必要というお話がとても印象的でした。
・人事施策が作っただけで終わらぬよう、現場を巻き込み「船中八策」などの実践を進める姿勢は、自社の人材戦略を見直す上で大変参考になりました。エンゲージメント向上の実効性、グローバルな施策展開など、自社の人事課題を考える上で多くの示唆がありました。

 

●CBSについてもっと知りたい方へ

「人的資源管理論」は、企業経営における人材の確保と活用を学ぶ基礎科目です。経営戦略と人材戦略を連動させる戦略人事の考え方を基本として、採用や育成、異動・配置、評価、報酬管理、労働時間管理、DE&I、多様な就業形態などの主要テーマについて、講義と事例分析、ケース討議を組み合わせて学びます。ゲスト講演では今日的なトピックを取り上げて、受講生の勤務先での実践や応用について考える機会を提供しています。

CBSのカリキュラムの全体像は、以下のリンクをご覧ください。
https://www.chuo-u.ac.jp/academics/pro_graduateschool/business/mba/