2026年7月9日(木曜・4限)、本学経済学部の授業『社会思想史』(鳴子博子担当)にて、株式会社アサインのキャリアプラットフォーム事業部長を務める福田尚記氏をお招きし、社会思想史で学ぶ思想家たちの人間観・社会観を手がかりに、キャリア形成を考える授業を行っていただきました。
授業の前半では、キャリアを取り巻く環境の変化についてお話しいただきました。終身雇用が前提だった時代から転職の広がりや働き方改革を経て、選択肢が増えた今だからこそ、自分でキャリアを築く「キャリアオーナーシップ」と、学生のうちから「好き」と「得意」を見つけておくことの大切さをご説明いただきました。
後半は、本科目の学びとキャリア観を結び付ける内容でした。ホッブズ・ロック・ルソーが説いた社会契約説を取り上げ、「個人が国家に自由を委ね、安全や秩序を得る」という構図を、「個人が会社に時間や労働を委ね、報酬や成長を得る」という構図に置き換えてご説明いただきました。3人の思想家がそれぞれ異なる契約のあり方を説いたように、キャリアの築き方にも複数の形があること、300年前の問いが今の進路選択にそのまま重なることをお話しいただきました。
質疑応答では、学生からさまざまな質問が寄せられ、一つひとつに丁寧にお答えいただきました。
受講学生の感想(抜粋)
「社会思想史で出てくる人達の考え方が、今のキャリア形成と通じるものがあることに驚きました」
「歴史を学ぶ意味があまりわかっていなかったのですが、現代とつながるところがあることにすごく感銘を受けました」
「価値観は歳を重ねることで比重は変わるかもしれないが決して無くならない。自分の価値観をもっと大事にしてキャリアを積んで良いのだと安心した」
福田氏からのメッセージ
当日は、学生の皆さまが真剣に耳を傾けてくださり、質疑応答でも多くの質問をいただきました。
お伝えしたかったのは、300年前に思想家たちが考え抜いた「個人と国家の関係」が、形を変えて「個人と会社の関係」として今も問われ続けているということです。何が不安で、何を求め、どこまで自分を委ねるか。その答えの違いが、そのまま一人ひとりのキャリア観の違いになります。今回の講義が、社会思想史の学びとご自身の進路選択のつながりを実感するきっかけになっていれば幸いです。
貴重な機会を頂戴しました鳴子先生、そしてご参加くださった学生の皆さまに、心より御礼申し上げます。
担当教員:鳴子からのコメント
今回の特別授業は、社会思想史で学ぶ社会契約説を「個人と国家」の関係としてではなく、「個人と会社」の関係として読み替える斬新な試みでした。ホッブズ・ロック・ルソーの思想が300年の時を超えて学生自身の進路選択に接続されたことに受講者は驚き、社会契約説を自分ごととして捉え直す契機になったものと考えております。受講者の数多くの率直な質問に誠実にお答えくださったことにも感謝します。

