2026年6月11日、経済学部 近廣昌志 准教授の「入門演習」にて、元日本銀行の堂野敦司氏をお招きして特別講義が行われました。堂野さんは東京大学工学部の出身で、「人のためになりたい」という思いを軸にした就職活動で日本銀行に入行されたということです。
この日は「金融政策と国会」と題し、どんな機関でなにをしているのかということを、日本銀行法を示しながら話してくださいました。
講義前半は日本銀行法の第一条から三条が示され、日本銀行の目的・理念とその独立性についての説明から始まりました。
ドイツが大戦後の賠償でハイパーインフレーションを起こしてしまった経緯と、こうした教訓などから各国とも中央銀行の独立性を重要視していること、日本の銀行法も戦時中にできたので独立性に乏しかったこと、平成9年に全面改正があったことなどが順を追って説明されました。
法改正後の日銀は自由(独立性)を得る代わりに責任(説明責任)が生じ、国民(国会)へ説明して信任を得るという構造ですが、堂野さんは2008年の衆参のねじれによる日銀総裁の一時空白について、「国会同意人事」が注目された歴史的事例だったと細かにお話されました。
また堂野さんは内閣府への出向や各地の支店勤務・支店長も務められましたが、そのキャリアの中で政策委員会室にいらした期間が長かったとのことです。日銀総裁等の国会出席日数の推移のグラフを示しながら、法改正によって政策委員が国会に呼ばれるようになったこと、質問事項の確認から答弁の作成などで急ぎの仕事になることを具体的にお話しくださいました。
後半では実質賃金の変動要因の分析といったトピックもありましたが、今回は入門演習で受講生が1年生であることを考慮してくださり、平易な表現でお話くださいました。 講義後は質問の手も多く挙がるなど、受講生はこの貴重な機会を享受しました。