2025年7月18日(金)に茗荷谷キャンパス内で、法学部独自のグローバル・プログラムの1つである「ILOリサーチプログラム」の春学期成果発表会を開催しました。
2025年度このプログラムには3名の学生が参加しており、夏季休業期間中のスイスでの活動に向けて以下のテーマで事前研究を行いました。
●How can protect indonesioan Migrants in Malaysia?
●Reducing Bonded Labour in Nepal ~Legislative Strategies and the Supportive role of the ILO~
●Reframing Digital Child Labour
発表会はオープンカフェスタイルで開催され、教員や学生が自由に発表ブースに足を運び、発表を聞きながらさまざまな質問をする様子が見られました。
たとえばマレーシアにおけるインドネシア人移民の権利保護について研究している学生のブースでは、参加者から「なぜインドネシアとマレーシアを研究対象にしたのか」という質問があり、これに対して「移民の労働環境について調べるうちにインドネシア・マレーシアには気候変動が原因となって移動する気候移民(難民)がいることを知り、さらにインドネシア人労働者の権利が十分守られていない実態があることから、インドネシア人移民の包括的な権利を保護する研究をしようと考えた」と発表者がテーマ設定の理由を述べるなどしました。
また、「MoUでなくとも、マレーシアの国内法でこのような問題を解決すべきであると圧力をかける視点から研究してもよいのではないか」「日本でも介護施設でインドネシアの移民が近年働き始めているが、施設利用者から嫌煙されているという事実がある。日本での今後の移民問題について考えるうえでも貴重な研究になると思う」などのアドバイスをいただきました。
ほかにも「ネパールにおける債務労働」をテーマに研究している学生のブースでは、「この問題においては、元農業従事者である債務労働者に農業セクターでの労働教育やスキル開発を行う形で、ILOが関わることができるのではないか」という学生の発表に対し、「農業従事者の経験を生かす方向性にするより、他の労働分野に目を向けた方が収入などが安定するのではないか」などのアドバイスをいただきました。
今回の成果発表会で得た知見を活かしてさらに研究を進め、このあと夏季休業期間中に履修者はスイスへ渡航します。
スイス渡航後はジュネーブのILO本部を訪問し、アドバイザーによる指導を受けながら、研修の最後にリサーチ結果をILOスタッフに向けて英語で発表する予定です。
プログラム概要については法学部独自のグローバル・プログラムをご覧ください。