情報工学科・専攻

情報工学科4年 八田菜月さんが 学員会会長賞を受賞

八田さん(システム解析・可視化研究室所属)

理工学部情報工学科4年(現在は理工学研究科情報工学専攻在籍中)八田菜月さんが、2026年3月17日に、多摩キャンパスで開催された第43回学員会表彰式にて、学員会会長賞を受賞しました。

学員会会長賞とは、学術、文化、社会等の活動を通じて優秀な成果を収めた学生に学員会から授与するものです。本学では卒業生を「学員」、同窓会組織を「中央大学学員会」と称します。

八田さんは、卒業研究で、インターネット環境で3次元物体データを開示・配信する際の不正取得を防ぐ仕組みについて、課題特定から解決策の考案、実装、実験、評価に至るまで主体的・精力的に取り組みました。また、卒業研究とは別に所属研究室にて企業との共同研究にも参画し、優れた見識と協調性で学生側を取りまとめたり、企業側に重要な意見を伝えたりしました。さらに、夏期インターンシップにも赴いて視野を広げるなど、幅広く関心を持ち積極的に活動する姿勢が高く評価され、今回の受賞に至りました。

受賞後大学院に進学した八田さんに、この度、インタビューをおこないました。

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Q. ご受賞おめでとうございます。情報工学に興味をもったきっかけは何ですか?

ものづくりが昔から好きで、手芸やレジンアクセサリーなど、いろいろ作っていました。高校入学当時は、生物・医療系に興味がありましたが、コロナ禍で情報系に触れる機会が多くなり、「あ、そっち面白そうだな。」と、感じました。HTMLでWEBサイトを作ったり、3D制作ソフトを使用したりする「デジタル系ものづくり」をおこなう情報の授業がきっかけで、情報工学に興味を抱きました。

「画像・映像コンテンツ演習2」で最優秀賞を受賞したときのポスター

Q. 大学で印象に残っている授業はありますか?

情報工学科の授業「ディジタル信号処理」と「画像・映像コンテンツ演習2」です。

趣味でDTM(※2)をおこなっている時に、PCから音が出ないことがありましたが、「ディジタル信号処理」で音に関する信号処理やサンプリング、エフェクト処理の仕組みを学んだことで、原因を考えながらトラブルに対応できるようになりました。趣味と授業がリンクすることで技術の知識を深められ、嬉しかったです。

「画像・映像コンテンツ演習2」には、情報工学研究部で仲間を集め、リーダーとして参加しました。情報工学研究部で取り組んでいたゲーム制作や、Unity(※3)によるCG描画の技術を活用できました。プログラミングの技術を持っている人や、グラフィックの技術を持っている人等、いろいろなタイプの人がいたので、みんなで集まって制作するのが楽しかったです。

Q. リーダーで大変だったことはありますか?

大変だったことは、仕事の割り振り、工程管理、プレゼンです。技術力があるメンバーを集めて、それで終わりではなく、第一線で活躍する技術者の方が審査員として来てくださるので、その方たちを納得させるストーリーを作り、メンバーの言葉や技術を、伝えることに力を入れました。図解を意識して、プログラミング担当者に「この図で合ってるよね?」と、確認することもありました。プログラミングは、グラフィックと違って見えないので、図解で可視化することで分かりやすくしました。

Q. どのような研究分野に興味がありますか?

XR(※4)やデジタルツイン(※5)、3Dデータ、セキュリティの分野に携わっていきたいです。XRやデジタルツインなどで、3Dデータを活用することは大事ですが、それをセキュリティの知識をもって保護することも大事なので、バランスを考えていかないといけないと思っています。卒業論文は「WebARでの保護を目的とする3Dモデルの制限付き配信及びTabletop AR型プレビューのUXへの影響」というテーマでした。例えば、3Dデータを販売するサイトがゲームを作っているとすると、その3Dデータはどんなデータなのか、買う前に見てみたいじゃないですか。それをWEB上で見ると、3Dデータが、実はお金を払わなくてもお客さん側に渡ってしまうんです。売り物のデータが、料金支払い完了前にお客さんに渡るのはまずい一方で、何も見せなければ内容を確認できないので買ってくれなくなる恐れがあります。そこで、3Dデータの保護とユーザーによるプレビュー体験を両立させるには、どうすればいいかについて研究しました。今はもうネットワークでいろいろなデータが流通する時代で、今後ますます増えると思うので、将来は、デジタルツインの3Dモデルを保護する、開発系の仕事ができたら嬉しいです。セキュリティと3Dデータ、両方の領域をカバーできる専門家になりたいです。

Q. 研究の他に取り組んでいることはありますか?

情報工学研究部と白門美術同好会に入っています。

情報工学研究部は、先輩・後輩問わず、いろいろな人と話ができる場で、PCやプログラミングについて教えてもらいました。部室には、みんなで授業の課題をやりに行ってましたね。分からないところがあると部員にすぐ聞けるので、ありがたかったです。その結果もあり、入学当時の初心者からだいぶ詳しくなりました。

白門美術同好会では、よく他大学の渉外グループと連携して、展示会を主催しています。メンバー集め、展示の企画、会場選び、集金、展示を、大学10校くらいでやりとりしています。メンバーを集めるポスターや、展示会をお知らせするポスターも、デジタルで作りました。

Q. 最後に、受験生へのメッセージをお願いします!

情報工学・PC・プログラミングの初心者でも、情報工学科で4年間学べば、しっかり身につくカリキュラムになっています。情報系に興味がある人は、そんなに心配せず、目指してほしいです。また、情報工学科では、実際に技術として使われている数学を実感できることが楽しいです。高校で、「なんで数学をやらなきゃいけないの?」と、思っている人には、「情報工学科にその答えがあるよ、社会のこういうところで役立っているよ。」と、伝えたいですね。

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(※1)HTML(ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ): WEBページを作成するための言語。

(※2)DTM(デスクトップミュージック): PCなどを使って音楽の作曲・編曲・録音・編集・ミキシングまでを一貫して行う音楽制作手法。

(※3)Unity(ユニティ): リアルタイム3Dコンテンツを制作するためのゲーム開発ツール。

(※4)XR(クロスリアリティ): VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)といった、現実と仮想世界を融合し新しい体験を創出する技術の総称。

(※5)デジタルツイン: インターネットに接続した機器などを活用して現実空間の情報をリアルタイムで取得し、サイバー空間内に現実空間の環境を再現すること。現実世界と対になる双子(ツイン)をデジタル空間上に構築し、モニタリングやシミュレーションを可能にする仕組み。