2025年3月22~23日にフィリピンのセブ島において開催されたICBEIT(International Conference on Business, Economics, and Information Technology)に、内藤有香さん(1期生)、鴨田遥平さん(3期生)、ファース・サミュエルさん(3期生)の3名が学会発表をしました。いずれも国際経営学部・中村潤研究室の出身です。
同学会は、主に米国グアム大学の支援により毎年春に行われる国際学術会議でアジア地域の各国から多くの研究者や実務家等が参加し、また、学生による発表を応援するような雰囲気もあり、国際学会デビューの場にはふさわしい学会です。
内藤有香さんは、”Quantitative Evaluation of Two-dimensional Gaze during Image Interpretation by Experienced and Inexperienced Physicians in the Medical Industry” と題して、横浜市立大学附属病院・放射線科と中村潤研究室との共同研究のもとで得られた頭部CTの読影データを解析し、所見検査時における読込みの興味深い特性を発見しました。
内藤さんは、Q&Aで活発な議論となり経済学研究科生らしく、経済学的なモデルを用いて実験結果を考察していくことも試みてきた話や、経済学の分野の1つとして、しばしば"意思決定"という観点に着目することついて
議論しました。
鴨田遥平さんは、Vensimというシミュレーション・ソフトを用いたシステムダイナミクスの研究に取り組み、”Business Model Analysis of Japanese Automobile Dismantling Industry Using Vensim”と題して日本の自動車産業におけるリサイクルのビジネスをモデル化し、将来の起こりうる需給の見通しを議論しました。Q&Aでは、Vensimを起用した背景が問われ、サプライチェーンのシミュレーションができる点などの説明をしました。また、タイと中国のEV市場を研究されている方と興味分野が重なっており、EVは本当に環境に良いのかという点から議論が盛り上がりました。
ファース・サミュエルさんは、国際経営学部での卒論の延長線として引き続きオーストラリア・ミートパイを題材に、”Key Factors in Consumers’ Choices of Unknown Food: AHP Analysis of Australian Meat Pie Preferences” と題して、新規商材の購買における意思決定の行動モデルをAHPの手法を用いて分析した結果を発表しました。Q&Aでは、「ミートパイに限らず、知名度の低い食品を研究対象とすることで、海外市場参入時の導入障壁克服に関する示唆を得られるのではないか」という指摘もあり、研究の応用範囲を広げる可能性を見出すことができました。

発表中の内藤有香さん(1期生)

発表中の鴨田遥平さん(3期生)

発表中のファース・サミュエルさん(3期生)

ICBEIT学会のフラッグを前にして
学会での様子としては、年齢国籍問わず様々な背景や学識をお持ちの方々同士で、質疑応答や今後の研究へのアドバイスが活発に飛び交いました。発表セッション以外の時間にも、海外の経営者の方との意見交換や、他大学の先生方との活発な交流もあり、異なる視点からのアプローチや、今後のデータ収集の工夫について多くの示唆を得ることができ、大変良い刺激をいただけける機会になりました。
国際経営学部では、ビジネスと学術の交差点を起点にさまざまな学びの機会があります。中村潤研究室では、ほぼ毎年、学生が国際学会での発表等の場で、学外の事業関係者や多様な研究分野の有識者との刺激的な接点をもって活動し、研究の応用範囲を広げています。