
わかり易い説明を心掛けてくださった講師
11月14日、NGO/NPO論の授業で、独立行政法人 国際協力機構 (JICA) の市民参加協力第二課課長の加瀬晴子氏に「日本の国際協力NGOにおけるマネジメントと実践」について、ご担当されている草の根技術協力事業の事例を中心に講演いただきました。(担当:山田恭稔教授)
JICAは、日本政府の開発協力大綱の下、「人間の安全保障と質の高い成長を実現しよう」というミッションを掲げ、「信頼で世界をつなぐ」というビジョンを持って、日本の国際協力を包括的に実施する独立行政法人です。JICA草の根技術協力事業では、開発途上国の地域住民の生活改善・生計向上に役立つ、日本のNGOやNPOによる事業への支援も行なっています。

学生からの質問に丁寧に回答する講師
具体的には、①ヨルダンで学校の特別活動を通して子どもたちの社会性を育成する活動とその実施支援体制の構築に向けた取り組み、②フィリピンの貧困家庭の子どもたちの社会復帰を支援するための、児童福祉施設や自治体による支援体制強化、③日本のカカオ産業関係機関と連携しながらガーナの児童労働撤廃に向けた取り組み、という3つのNGOによる実践事例をご紹介くださり、それらのインパクトが持続する仕組みづくりの重要性についてご講義いただきました。
加瀬氏は、ご自身が関わった有志による自発的な活動という経験談も交えながら、NGOが活動を続けていくためには、その活動内容の重視だけではなく、NGO自らの組織運営、そして、他組織(資金援助組織を含む)との関係構築などの側面も影響することをわかり易くお話しくださいました。また、講義の途中で課題を考えてもらうなど、双方向性を大切にしながらご講義を進めてくださいました。学生たちにとっては、国際協力におけるJICAの役割、NGO/NPOによる迅速かつきめ細かな、現場を重視した国際協力のアプローチについて学ぶとても有意義な機会となりました。
参加した学生からは、JICAとNGOの連携による草の根レベルでの効果的な支援を知ることができた、現地の課題に密着しそれに応じたアプローチの重要性を学んだなど、国際協力とNGOをつなぐ現場で実際に活躍されている専門家からのお話が大変に好評でした。

講義を熱心に聞く学生たち