7月2日(木)、群馬県知事の山本一太氏(中大法学部出身)をお迎えして、特別講義を開催しました(地方政府論1の公開授業)。その様子を紹介します。
テーマ:「群馬モデルで未来を創る」
〇群馬県は、いま「デジタル・クリエイティブ産業」に力を入れている。映画、ドラマ、アニメ、ゲーム。日本のコンテンツは海外市場で20兆円規模に成長する。「少年ジャンプ」を創刊号から読んでいる知事だからやれる。「トップセールス」で企業誘致に取り組んでいる。
〇そのためには人材育成。前橋にtsukurun(小中高生の段階から最先端のデジタル機材やソフトウェアで創作活動を行う全国初の施設)をつくったし、高崎にTUMO Gunma(アルべニア発祥の世界的なデジタルクリエイティブ人材育成プログラム)を開設した。
〇群馬県も財政は厳しいが、ワイズ・スペンディングで施策を展開している。国の補助金を引っ張ってくるし、県が自ら稼ぐことが重要。群馬パスポートも注目され、ふるさと納税も増えた。
〇母校の皆さんへのメッセージ。68歳になってわかったことは、世の中に無駄なことはひとつもないということ。学生時代、ロックバンドをやり、旅館の息子として友人をもてなし、ダンスなど遊びまくっていたが、それがいま武器になっている。何も心配することはない。失敗をおそれず思い切ってやってほしい。
後半には、学生の質問にも答えていただきました。たとえば…
Q:将来、政治家になりたいが、何をすればよいか。
A:政治家の秘書になって勉強するという方法はあるが、いろんな形がある。政治とは調整だから、何をやっても無駄にはならない。どういう時代になるかを頭に置いて行動することが重要。
Q:知事の発想やパワーは、どこから出てくるのか。
A:あらゆる無駄をやってきたから、発想の「引き出し」は多い。パワーは、群馬をよくしたいという思いから出ている。
Q:知事になったらやりたいと思っていたことは達成できたか。限界や力不足を感じたことは?
A:道半ばだが、相当いい感じになってきた。一人当たり県民所得5位、移住希望地全国1位など、群馬が元気になってきた。限界としては、議会を説得すること、新しい挑戦は利益構造を変えるため、反発もあることだ。
Q:これからの公務員に求められるものは?
A:前例を打破する勇気、マインドセットを変えることだ。県職員は優秀だが、リスクをとることも必要。AIを使いこなすこと、フェイクニュースを見抜く力も求められる。
希望あふれる”熱血”講義をいただいた山本一太知事に、心から感謝申し上げます。
文責:法学部教授 礒崎初仁(地方自治論)