
これまでに関わった被災救援活動や防災活動を語りながら自己紹介する大倉講師と神妙に聞く学生たち
2025年6月3日、入門演習(担当教員:山田恭稔教授)の授業で特定非営利活動法人 Mitakaみんなの防災 の常務理事 大倉誠氏に「コミュニティ防災と私たち」について講演いただきました。
授業では、マグニチュード7クラスの首都直下地震の逼迫性についての注意喚起とともに、大地震は必ず来るから備えておかなければならないという「防災の心」を持っておくことが大切であること、その一方で、防災には、災害発生前の予防対策と、災害発生後の応急対策という2つがあることを教えていただきました。また、コミュニティが防災対策に大いに役立つことを、神戸市真野地区と三鷹市の事例を挙げながら具体的にご説明いただきました。そして、日々の生活の中で私たちが属している様々なコミュニティで培った「顔見知りの関係」を、災害時には、私たちが協力し支え合う(「共助」の)ためのつながりの礎にして欲しい、というメッセージを強調してくださいました。

学生たちの出身地を次々と尋ね、それぞれの地域で過去に起こった自然災害について語る大倉講師
大倉講師は、講義内容を学生たちが身近なものとして感じ理解が深まるように、双方向のコミュニケーションを心掛けてくださいました。参加学生たちの出身地を次々に聞き、その地域で過去に起こった自然災害と瞬時に結び付けて、その自然災害の特徴や注意事項を説明してくださいました。このアプローチは、いずれの学生にとっても災害が実は身近なものであるという認識を促してくださいました。
さらに、学生たちを3−4人のグループに時折分けて、意見交換や経験共有をしてもらう作業も織り交ぜながら、学生たちの当事者意識を喚起しつつ授業を進めてくださいました。

防災対策を具体的に説明する大倉講師
参加した学生からは、「自分で興味を持って学ばないと具体的にはわからないことが多いと感じたので、防災について、受け身ではなく、積極的に知識をつけていこうと思った。」、「自分が属しているコミュニティでの人とのつながりを大切にしたいと感じた。」、「日常の中で信頼関係を築いておくことが、いざという時の『共助』につながるということを学んだ。」など、学生たちは防災への意識を高め、防災に役立つコミュニティの形成と役割に関して様々な学びがあり、大変に好評で、結びついた人々の集まりに拠る社会関係性(コミュニティ)の構築とその実践の重要性について理解を深める機会となりました。
今後も国際経営学部では、実務の最前線で活躍されている専門家の講義や対話の機会を設け、探究心を刺激し視野を広げる学びを展開し、グローバルリーダーの育成に努めてまいります。