2022.03.25

連載第3回【生まれ変わるサッカー部】
応援されることへの責任がプレーの活力に
日野市の事業「青空たいそう」で地域貢献

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地域貢献の活動として、中央大学サッカー部が2021年10~12月に協力した、東京都日野市の運動促進事業「ちょっとお散歩&青空たいそう~withコロナも元気に過ごす♪~」(以下、青空たいそう)。子供たちに運動の楽しさを伝え、サッカー部を応援してくれる人を増やそうという活動は計10回、実施されました。

活動に参加して肌で感じたやりがいや思い、サッカー部の今後の活動への糧となったことなどを、第1回、第2回に続いて最終回の今回も、サッカー部の「事業本部」に所属する横山祐一郎さん(経済3)に綴ってもらいました。
 

連載「生まれ変わるサッカー部」の第1回、第2回はこちらからご覧になれます。

第1回 フロント制を採用、日野市の事業「青空たいそう」に協力

第2回 順調な滑り出し「地域貢献&ファンを増やす」

青空たいそうは2021年12月11日に最終日を迎え、21人の児童が参加してくれて、大盛況のうちに終えることができました。参加した部員2人に、まず活動を振り返ってもらいます。

「また開催してほしい」の声に喜び

大桃怜音選手(商3)

 

「青空たいそうを開催するまでに、メンバー全員で“0”から“1”を作り出す作業が大変でした。どうやったら楽しんでもらえるか、どうやって人を集めるかなど考えることは多く、メンバーで試行錯誤を繰り返し、いいものを作り上げることができたと思っています。活動を通して、地域の人と人がつながることへのやりがいや面白さを実感しました。何より感謝され、『また来年も開催してほしい』という声が多かったので、とてもうれしかったです。今後も地域に寄り添い、多くの人をつなぐような活動を続け、少しでも地域の活性化に結びつけばいいと思います」

 

 

活動が「地域の楽しみの場」に

吉田圭汰選手(法2)

 

「青空たいそうの開催までには、メールや面談など不慣れなことばかりでしたが、何とか実現できました。(参加児童の)人数が集まるか不安でしたが、多くの子供たちが来てくれました。この活動が地域の方々の楽しみの場となってもらえてよかったです。今後もこのような活動で、地域の方々と交流することができればと思います」

「応援してもらうのにふさわしい行動か」を自問

2人と同じように、私自身もたくさんのことを感じ、考えさせられた活動でした。目的の一つである「参加した児童たちにサッカーを通して運動することの楽しさを感じてもらうこと」を目指して、入念に準備をしました。そして、一緒に参加してみると、私自身も楽しく一つのボールを追いかけることができました。

 

子供たちに楽しさを感じてもらっただけではなく、私自身もエネルギーをもらっていたのです。「ボール一つで世代を超えて楽しめる」。これこそがサッカーの魅力であることを存分に感じることができました。

 

もう一つの目的の「応援してくれる人を増やす」についても、いろいろな戦略を立てていました。実際に地域の方々と触れ合って交流すると、「今の自分は応援してもらうのにふさわしい行動ができているか」を自分に問いかけるようになりました。応援してもらうための戦略を実行に移しながら、応援してもらう側の私のサッカーに対する向き合い方が正されていきました。

 

応援してもらう側には必ず責任が生じて、その責任がサッカーへの活力となることはプロでも同じです。今回感じることができたつながりを私だけでなく、たくさんの部員に感じてもらうことが、中大サッカー部を強くさせる一つのきっかけになると考えています。

 

改めて、この活動の目的は「サッカーを通して運動することの楽しさを感じてもらう」「応援してくれる人を増やす」でした。連載の第2回で記したように、活動自体の満足度はかなり高かったと感じています。最終日に、ある保護者の方から「毎週、親子で参加することを楽しみにしていた」という感謝の言葉をいただきました。最終日に21人の児童が参加してくれたという数字にもその成果が表れていると確信しています。

活動をきっかけに応援してくれる人が増えた!

そして、「応援してくれる人を増やす」という2つ目の目的は直接的にも間接的にも達成されています。参加してくれた児童にお菓子を配り、動画アプリ「Tiktok」(ティックトック)などサッカー部のSNSが記載されたカードを同封しました。これがファンへの入り口になっています。

 

一つの反省点ではあるのですが、SNSのフォロワー数の増加が、青空たいそうに起因するものかどうかを判別できる仕組みにしていませんでした。しかし、フォローの是非に関わらず、サッカー部の存在を知ってもらえたことは一つの収穫であり、一緒にサッカーをした事実は参加者の記憶に残っているはずです。

 

「間接的」という点では、2021年11月ごろから「C-partner」という少額のスポンサーメニューを近隣の飲食店に向けて営業していました。その際に、青空たいそうの開催を伝えると、ポジティブな反応が返ってきました。結果として数件の契約をいただき、理由の一つとして青空たいそうの活動を魅力的に感じたことが含まれています。つまり、青空たいそうをきっかけに応援してくれる人を増やすことができたということです。

青空たいそうはサッカー部の魅力にもなった

 

 

 

この関連は行き当たりばったりではありません。青空たいそうのメリットは地域の方々に認知していただけるだけではなく、活動自体がサッカー部の魅力になるということです。実のところ、サッカー部として青空たいそうに関わることが決まった時点で、後者のメリットは営業活動にも良い影響を与えると考えていました。

 

こうした経緯もあって、C-partnerの営業を開始することになりました。事業本部として行う活動のすべてはピッチで勝利を手にするために行われています。一つの活動が次の活動の布石となり、連鎖していきます。事業本部の活動は「楽しそうだからやってみよう」の次元から抜け出し、しっかりとした目的意識の中で継続していきたいと考えています。

 

青空たいそうを通して、改めてサッカー部が勝利を手にするためには地域の方々の支えが必要であり、サッカー部を取り巻くすべての人が欠かせないピースです。これからも部の存在意義を常に確認しながら、情熱をもって活動を続けていきたいと考えています。

 

連載の結びにあたり、このような活動の機会をいただいた日野市、ひの社会教育センターの皆さまに深く御礼を申し上げます。

☆中央大学サッカー部☆

 

1927(昭和2)年、中央大学蹴球同好会として創設された。2009年以降、獲得タイトルがなく、2020年には関東大学リーグ2部に降格。選手とスタッフ、関係者が一丸となって関東リーグの1部昇格と、全国大会のタイトル獲得を目指している。

 

部として“生まれ変わる”必要性から、その一環として大学サッカー版「フロント」を今季から設立。営業部、広報部、企画部、運営部の4部で構成する新設の事業本部に計25人が所属し、「学生がプレーし、学生がそれを支える」という体制を敷く。

 

さまざまな活動により、競技力だけでなく、営業であればビジネスマナー、広報なら適切な言葉遣いを知ることなど、人間力の向上を図る狙いがある。プレーヤーでない部員は従来、マネジャーと広報だけだったが、事業本部の学生も部員として認め、サッカーという競技の枠を超えて活動の場を広げている。

 

主なOBは元日本代表の中村憲剛さん、シュミット・ダニエル選手(シント=トロイデンVV〈ベルギー〉)、古橋享梧選手(セルティックFC=スコットランド)ら。

☆ちょっとお散歩&青空たいそう~with コロナも元気に過ごす♪~

 

コロナ禍における適度な外出機会の創出と健康づくりを目的として、日野市が、市内の事業者や大学と連携して行っている事業。中央大学サッカー部は、サッカーボールを使った運動を「青空サッカー教室」として、2021年10~12月の土曜日に計10回、市立平山中学校前の河川敷で行った。対象は小学3~6年生で、毎回10~15人が参加。サッカー部員は毎回、4~5人が指導に当たった。

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