2024.04.12

「にほんごサポーター」にオープンバッジを授与
ボランティアで留学生の日本語学習を支援

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交換留学生・学部留学生を対象とした日本語の授業に出席し、担当教員の指導のもと、サポートを行う「にほんごサポーター」を務めるボランティアの学生に、2023年度からオープンバッジ(別項参照)が授与されることになった。オープンバッジは、スキルや経験および学修履歴・学修成果の可視化を目的とした仕組みで、将来の留学や進学、就活などにも役立つと期待されている。

 

2023年度の授与者7人のうち、市瀬百々果さん(国際経営4)、八十川珠鶴(やそかわ・すず)さん(総合政策4)、池田さくらさん(文2)の3人に、サポーターの活動を通して感じたことや得られたこと、やりがいなどを尋ねた。

「ゆっくりとコミュニケーション」「難しい言葉は使わない」
国際経営学部4年 市瀬百々果さん

 

 

難しい日本語を外国人がどのようなプロセスで学んでいるんだろうと興味があり参加しました。動詞の活用や語尾の変化など、日本語の難しさを感じるとともに、留学生の苦労を知りました。「日本人とたくさん話せてうれしい」と言ってもらえたときは、やりがいを感じました。また、ゆっくりとコミュニケーションを取り、なるべく難しい言葉は使わないことを心がけていました。にほんごサポーターは留学生と交流するきっかけにもなり、授業以外でも親しい留学生の友達もできました。

 

私は今、米国のノースカロライナ大に留学中です。日本語クラスの先生のランゲージアシスタント(助手)を務め、幅広くサポート活動を行っています。中大に戻ったときはまた留学生のサポートをしたいと考えています。

日本語学習教材の大切さに気付く
総合政策学部4年 八十川珠鶴さん

 

もともとは第二外国語で学んでいたドイツ語の言語教育に興味がありました。(にほんごサポーターとして)ワーク学習の際は、留学生が(日本語を)考えるプロセスを大事にしたかったので、すぐに答えずにヒントを出すようにしました。シンプルな日本語で伝えることも意識し、英語で質問されたときも日本語で返して、自然に身に着けてもらうようにしました。日本語が上達する姿を見ると私もうれしいし、留学生の友達ができるうれしさも経験できました。

 

また、日本語学習教材の大切さにも気づきました。私はゼミで日本語教育の教材について学んでおり、将来は教育業界で働くことも視野に入れながら研究を深めています。にほんごサポーターは、サポーター自身が日本語を学ぶ機会になり得ると思います。

「すぐに答えを教えない」 “待つ”ことの大切さ
文学部2年 池田さくらさん

 

 

出身の国際系の高校では外国人の友達も多く、外国人との交流に興味がありました。積極的な性格ではなかった私ですが、留学生との会話で沈黙が続いたときは「なぜ日本を留学先に?」と尋ねて会話をリードするなど、留学生との関わり方を学ぶとともに、人と話す積極性を得ることができたと思っています。

 

留学生は日本語の文法や単語が浮かばずに言葉に詰まることもあります。そんなときもすぐに“答え”を教えたら、彼らの勉強にならない。(日本語が出てくるまで)待つこと、あせらないことが大事だと、活動を続ける中で実感しました。感謝されたりファーストネームで呼んでもらえたりしたときはうれしかったです。校内で留学生を見かけたら積極的に話しかけたい。活動を通して「日本」を客観的に見られるようにもなりました。

☆にほんごサポーター

 

学部間共通科目である日本語プログラムを担当する専任教員(吉田千春法学部助教、中川康弘経済学部教授、二宮理佳商学部教授)が発案し、兼任講師陣の協力を得て2019年度から運用開始。2023年度までに延べ440人が学生ボランティアとして登録した。半期に一度、参加学生を募集している。にほんごサポーターが参加した2023年度の授業回数は前後期を合わせて220回。

 

活動内容は、留学生のスピーチやディスカッション、会話練習への参加、日本文化の紹介など多岐にわたる。世界各地からの多様な背景を持った留学生と関係を構築することで、異文化理解の促進や、円滑なコミュニケーション能力の向上などが期待され、サポーターの学生にとっても有意義な活動となっている。

 

にほんごサポーターの問い合わせは国際センター事務室(多摩キャンパス11号館2階)へ。問い合わせフォームには、件名に「にほんごサポーター」、本文に学籍番号と名前を記載すること。https://www.chuo-u.ac.jp/inquiry/form/?id=55

 


 

 

☆オープンバッジ

 

中央大学は2021年度から、新たな学修履歴・学修成果の可視化ツール(デジタル証明)として、一般財団法人オープンバッジ・ネットワークが発行する「オープンバッジ」を導入している。人生のいろいろなシーンで身に着けたスキルや経験を、一覧で他者に示すことができる仕組みで、欧米を中心に大学や資格認定団体、グローバルIT企業が国際標準規格として発行しており、日本でもさまざまな団体で導入が始まっている。

 

授業であれば単位修得によって学修履歴や参加したことが可視化されるが、にほんごサポーターは有意義な活動ながら、参加実績を証明する適当な方法がなかったため、2023年度からオープンバッジを活用することとした。参加したボランティアの学生にとっては留学や進学、就職活動などの場面で有効に利用でき、日本人学生の留学生への関心が高まることにも結び付く。

 

中央大学では、現在、プログラム修了証としてファカルティリンケージ・プログラム(FLP)▽グローバルFLPプログラム▽AI・データサイエンス全学プログラム「iDSプログラム」▽理工学研究科副専攻、科目修了証としてキャリアデザイン教育プログラム「キャリア・デザイン・ワークショップ」▽学術情報の探索・活用法、参加証明書としてにほんごサポーター―が対象。

 

にほんごサポーターは原則として10回(1000分程度)の参加、参加回ごとのコメントシートの提出などがオープンバッジ発行の条件。

授与されるオープンバッジ

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