2021.07.26

「変化の大きい時代にも適応し、力を発揮できる人材に」
新2年生歓迎・激励セレモニーで「入学の辞」
伊藤瑛加さん(法2)

  • 中大ニュース
  • きょう・あした

入学式が行われなかった2020年度入学生(2年生)を歓迎・激励するセレモニーが3月28日、午前と午後に分かれ、多摩キャンパスで開かれました。

午前の部で入学の辞を述べた伊藤瑛加さんは、「伝統ある中央大学で学ぶことにより、変化の大きい時代にも適応し、力を発揮できる人材を目指します」とあいさつし、充実した学生生活 を送ることを誓いました。

伊藤さんに式辞に込めた思いなどを尋ねました。

同じ2年生、仲間の拍手に感激

新2年生の歓迎・激励セレモニーで入学の辞を述べた伊藤瑛加さん

入学の辞で引用したハリー・ポッターの著者、J.K.ローリングの「私たちに魔法はない。なぜなら、想像力という世界を変える力が既にあるのだから」という言葉(スピーチ)から、伊藤さんは大きな影響を受けたという。

「何々があれば、とないものねだりをするより、今あるものを自分の想像力を使ってどう変えるかなんだ」。その言葉は、自身の現状の課題に対する思考が変わるきっかけとなった。

式辞を述べている間、緊張したが、福原紀彦学長(当時)の温かなまなざしや、式辞後に同じ2年生たちに礼をしたときのことが鮮明に記憶に残っている。たくさんの学生が拍手をしてくれ、「同じ学年の仲間がこんなにもいたんだ」と感激した。

「なぜこんな厳しいときに、新たなスタートの時期となる大学入学が重なるんだろう…」。コロナ禍の入学で困惑した1年間の思いや、苦悩を代表して伝えられたことがうれしく、光栄に思った。式辞の結びに「充実した学生生活を送る」と宣言したことは、これからの学生生活の “核”として胸に刻まれたという。

高校3年で起業
中大で学びたいことは「法律、企業、政治、交渉、言語力…」

伊藤さんは実は、高校3年のときに「株式会社サンシャインデライト」を起業した。「太陽の下で安心して暮らせる環境を」とうたい、肌の健康のためには幼少期からの日焼け止めの習慣の定着が重要なことに着目し、保育施設向けの日焼け止めの開発を化粧品メーカーのコーセーと共同で進めるなどしている。

紫外線への正しい知識を発信し、日焼け止めが習慣化されることによって、「30年後には手洗いや歯磨きのように当たり前になっている社会を実現したい」という。

企業活動と並行して中央大学で学びたいことは法律、企業、政治、交渉に関することなど、たくさんある。「法的三段論法」の考え方をマスターし、物事を前提から問う思考法も身につけたい。対応策や交渉の引き出しを多く作ることは何の分野においても生きるだろう。言語力も養いたいと思っている。

式辞に対する友人や家族の声は、「今までにない内容で、引用や具体例が多くて飽きなかった」「心に響いた」「格好よかった」「礼もピ シッとしていて終始姿勢が良かった」など、うれしい反応ばかりだった。自分の身が引き締まる良い機会になったと感じている。

大学生活を有意義に過ごすことで得た知識や経験は、興味のある分野で社会に貢献するにあたって役に立つ。広い視野をもって、物事に柔軟かつ最善な対応をできる人材になりたいと思っているという。

2020年度入学生(新2年生) 歓迎・激励セレモニー

新2年生を対象として、2021年3月28日、 多摩キャンパスで開催。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う困難の中でも学修や、その他の活動に励む学生を応援したいと、午前の部、午後の部に分けて開催された。

福原紀彦学長(当時)のあいさつ、2年生の代表のあいさつ、在学生代表による歓迎・激励のメッセージ、在学生のアイデアによる歓迎企画などが行われた。

午前の部は伊藤瑛加さん、午後の部は総合政策学部の市川桃加さんが2年生を代表してあいさつした。在学生代表として「TikTok」クリエイターの修一朗さんが登壇し、実業界や法曹界、 マスコミ、スポーツ、タレント、音楽など、さまざまな分野で活躍するOB、OGが動画による激励・応援のメッセージを寄せた。

「入学の辞」

初めに、コロナ禍で大学入学式を開催できていなかった私たちに、このようなセレモニーを開催頂いたこと、心より御礼申し上げます。

この1年間、私たちは今まで経験したことのない生活を強いられ、多くの人々が、状況の異なる日々に苦悩しながら「日常」を模索・工夫をして生活をしてきました。私も例にもれ ず、思うような学生生活が送れない中で、できることを少しずつ進めて過ごしました。

そんな中で、先日、あるニュースをみました。そのニュースは、新型コロナウイルス感染者が増加した昨秋以降に、売り上げが急激に下がってしまったラーメン店が、朝ラーメンを開始して人気を得ているというものです。予想外の反響から、そのお店では、緊急事態宣言解除後も引き続き朝営業を行うことを視野に入れているとのことでした。

厳しい状況下、このように「アイデアによって問題を解決し、次につなげるとはこういうことか」と思う瞬間が多くなりました。社会で問題が山積している今、私たち「人」の柔軟な想像力が一層問われています。

世界的な名作、「ハリー・ポッター」の著者であるJ.K ローリングも「私たちに魔法は必要ない。なぜなら、想像力という世界を大きく変える力が既にあるのだから。」と述べています。

実際に、環境問題を踏まえ、子どもたちに幸せを与えたおもちゃをトレイにリサイクルしたグローバル企業の取り組み。交通事故の防止を踏まえ、電柱に貼ったシールが夜間、警官のように光って見えるナイトポリス標識。ジェットコースターを後ろ向きに走らせテーマパークの再建を行ったチーフマーケティングオフィサー。想像力は人に幸せを与えるだけでなく、環境や経済の発展など、社会へも影響を与えます。

このような想像力を養うためには幅広い知識を備え、想像の引き出しを多くすること。「当たり前」と思われていることに対してこのままで良いのだろうかと批判的に問い直すこと。そして思いついた想像を実行に移すための行動力を磨き、継続を後押ししてくれる仲間をつくることが求められます。

私は、高校3年生の時に設立した会社での活動から契約の重要性を感じ、法学部を選択しました。中央大学に入学してから1年間、法律や企業、政治をテーマとした授業を受講し、大学の友達に会社の活動を手伝ってもらう中で、実感したことがあります。それは、中央大学にはそのような想像力を養う環境が備わっているということです。

オンライン授業が中心ということで、私たちが思い描いていた学生生活とは大きく異なりますが、既に過ごした1年間、そしてこれから迎える3年間を伝統あるここ中央大学で学ぶことにより、変化の大きい時代にも適応し、力を発揮できる人材を目指します。

最後に、このような厳しい状況下でも働いて下さっているすべての方々に感謝をし、充実した学生生活を送ることをお約束して、入学の辞とさせていただきます。

令和 3 年 3 月 28 日

法学部法律学科 伊藤瑛加

 

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