2023.08.07

働く喜び、やりがい 白門OB、OGから後輩へメッセージ
Career Meeting「私のしごと」講演会
キャリアセンターが初開催

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さまざまな分野で活躍する中央大学の卒業生が、自らの仕事観をリアルに語る「Career Meeting 卒業生が語る『私のしごと』講演会」が今年5月、多摩キャンパス、茗荷谷キャンパスで開かれた。学生が働くことの喜びや、やりがいを知り、自らのキャリアについて考える契機となるよう、キャリアセンターが初めて開催した。

講演会は計4回開催され、それぞれ登壇した卒業生4人が自身の経験を踏まえて、後輩の学生 たちに語りかけた。講演者はサントリー食品インターナショナルの大塚匠さん(2004年法卒)、高知放送の土居凌太郎さん(2021年法卒)、三井住友海上火災保険の石川七瀬さん(2004年商卒)、総務省(内閣官房内閣人事局出向中)の野口智紗樹さん(2017年法卒)の4人。対面とオンラインのハイブリッド形式で実施した。

大塚さんと土居さんの講演を聴いた学生記者3人に、今後の就活への糧や励ましとなった言葉、考察したことなどを綴ってもらった。

何事も先入観にとらわれない
意思を持ち、やるべきことの道筋を作る
~サントリー食品インターナショナル 大塚匠さんの講演を聴いて~
学生記者 影原風音(文3)

 

「就活・社会人になるということ」は堅苦しく、難しい壁を乗り越えなければならないものだと捉えていた。就活は悔いなく頑張りたいと思っているものの、とても漠然としたもので、実際に行動に移して細部を詰めるような作業は全くしていなかった。というより何をしたら良いのかが分からなかったという言い方が正しいと感じる。

今回の講演会では、どんな話が始まるのだろうと初めは緊張していたものの、大塚さんの明るい口調の話を聞いていて気持ちが前向きになった。そして、講演を通じて、もっと頭を柔軟にリラックスして物事を考えてみるという視点を得ることができた。

まずは「自分に向き合う」ということの大切さに気がついた。自分がやりたいことは何かを常に問うことで、繊細に移り変わっていく思考回路を更新していくことができる。これは、この先就活を進めていく際の自己分析や企業との相性を計る際の判断材料につながるだろうと考えた。

自分に向き合うことの大切さ

私は何か始める前にまず結果がどうなるかを考え、予想される困難や、大変なイメージを恐れて断念してしまう性質がある。余計な心配に頭を抱える場面が多く、興味のわくことがあったとしても単なる先入観でマイナスなイメージを抱き、その結果、興味を失ってしまうことがあった。

一方で大塚さんは、自分がやりたいと感じることを一番に尊重していて積極的なビジョンを持っていた。こうした考え方、発想はそれを実行するために次に必要なことを学んでいくというサイクルを生みだしやすく、何をすべきかを明確にしやすくなるのだと理解した。私もまず自分の意思を持ち、何をすればよいか分からなくなる前に道筋を作っていきたい。

また、「人と話をするときは、いかにその人に興味を持つかがポイントである」という話も印象に残った。相手の話を聞き出すために必要なことは、まずその人に寄り添ってみること だと理解した。対面でしか得られない情報や息遣いが確かにある。相手の心の声を引き出すには、相手に心を開いてもらう必要があり、その一歩として相手に興味を持つことが重要だと気づいた。

私は人間観察が好きで、特に相手の良い部分を探すことが得意だ。大塚さんの講演から学んだ「相手に興味を持つ」というポイントを踏まえながら、いろいろな人とフラットに関わることを意識し、チャンスを先入観で終わらせてしまわないように生かしていきたいと考えている。

サントリー食品インターナショナルの大塚匠さんの講演

人に寄り添い、リアルな声を聞く
探求心、学ぶ姿勢に感動
~サントリー食品インターナショナル 大塚匠さんの講演を聴いて~
学生記者 谷井花蓮(総合政策3)

大塚さんの話を聞き、働くことが楽しみになった。大塚さんは人のためになる仕事をして 、自身の「ikigai」を感じている。将来は私も自分の好きなことが誰かのためになるような仕事をしたいと感じている。

講演を聴く中で、大塚さんの「学ぶ姿勢」に感動した。例えば、実際にサントリーの商品を飲んでいる人たちのもとへ足を運び、徹底的なインタビューで得られたリアルな声から、「自分たちの商品はどのように人々に寄り添えるか」を考察した。また、会議中の何げない些細な発言から、それまで気づかなかった異世代の思いに衝撃を受け、新しい価値観を得たこともあったそうだ。

リアルな声、他者の意見から新たな知見を得て、それを仕事に生かすことにも喜びを感じるという。現在も京都芸術大学大学院で学び続けているという大塚さん。常に自分の知らないことを探究し続け、成長し続けようとしていることに刺激を受けた。好奇心旺盛な大塚さんはきっと社内でも信頼される存在なのだろうと思った。

将来について悩んでいる人は「人はなぜ働くのか」「自分は何に心を動かされているのか」を考えるとよいと話されていた。そうすれば、当たり前のようになっている「働く」という 行為を根本的に見つめ直すことができる。

自分の行動が人の役に立ったとき
この上ない「ikigai」

働く理由は「ただ稼ぐため」ではないと私は感じる。自分が一生懸命に考え、試行錯誤しながら取った行動が人の役に立ったとき、私はこの上ない「ikigai」を感じる。成功までの過程が困難なほど、成功したときの達成感が強い。私は、人が働く理由の一つはこの達成感を得るためなのではないかと考えている。

講演を聴き、自分にある無限の可能性を信じ、人生の選択肢を広げていこうと感じた。いろいろな人に会って話を聞き、違う視点や知らなかった価値観を得ることが大切だ。大塚さんは「人生は選択の連続である」と述べたが、選択は1回限りではない。失敗したと感じる選択も無駄ではなく、そこから学ぶことで今後につなげられる。

選択の繰り返しで人は成長する。これからも、多様な人と関わり、挑戦し続けて、自分の可能性を広げ、今後の就活では幅広い業界に目を向けていきたい。

Uターンを前向きに考える
育った土地、愛着のある地元で働くことの魅力
~高知放送 土居凌太郎さんの講演を聴いて~
学生記者 近藤陽太(経済3)

 

地元の高知県にUターン就職された土居凌太郎さんの講演は、地方から上京して就職活動を迎えようとしている私にとって非常に参考になるものだった。大学3年生になり、就活を前にした私には地元に戻るか、東京に残るか大きな選択が迫っている。地元は大好きだが、東京の魅力との間で葛藤している中で講演を聴いて、自分の育った土地、愛着のある土地で働くことへの魅力を感じ、Uターン就職について前向きに考えてみようと思うことができた。

最も印象的だった のは土居さんが地元をこよなく愛していることだ。地方テレビ局は県内のニュースや出来事を県民に伝える役割を持ち、在京のキー局とは異なる、地域と密着した身近な存在だ。土居さんは、県民に必要な情報を届けるという仕事のやりがいを説明し、自身が制作に携わった地元で活躍する人を特集するコーナーのVTRを紹介してくれた。それはまさに土地と人の魅力が伝わる内容となっていた。

学生時代にさまざまな挑戦と経験を

テレビ業界を志望する人へのアドバイスでは、学生時代にすべき大切なこととして「好きなものをとことん突き詰める」「広く浅くいろいろな知識を得る」「テレビで何をしたいのかを明確にする」の3点を挙げた。「好きなものを突き詰める」「いろいろな知識を得る」は一見矛盾しているようだが、「自分の武器」を作ることと、多様な分野への対応力を身に着けるという意味で、テレビ局で働くのに重要だとわかった。

就職活動では「人に何かを伝え楽しんでもらえる仕事」としてテレビ局を受けたという。「きっかけはどこに落ちているのかわからない。いろいろな経験をするのが大事」という言葉も胸に響いた。土居さんは大学2年のときに参加したキャリアセンター主催の自己表現術セミナーで講師を務めたアナウンサーに憧れ、テレビ局に興味を持ったそうだ。

大学生活は比較的時間にゆとりのある最後の機会だと思うので、私もできるだけさまざまなことに挑戦し、経験を重ねたいと思った。

“A life is not important except in the impact, it has on other lives.”

 ―他人の人生に影響を与えてこそ人生には意味がある―

有色人種の米野球メジャーリーグ参加への道を切り開いたジャッキー・ロビンソンの言葉が、土居さんの座右の銘だという。

講演後の質疑応答では、私もテレビ局の仕事について質問し、大変参考になるアドバイスをいただいた。最後の「土居さんにとって仕事とは?」という質問に、土居さんは「常に頑張っている途中」と答えた。「仕事で結果がついてこないことも多いが、 頑張り続けることでやりがいも感じる」と続けた。その原動力は地元を良くしたいという思いだという。

講演は、地元での就職を考えている私にとって非常に有意義な体験となった。始まったばかりの就活だが、教わったことを参考にしてベストを尽くしたいと思った。

高知放送の土居凌太郎さんの講演

Career Meeting 卒業生が語る「私のしごと」講演会~未来の自分を描く~


大塚匠さん

 

【第1回】

〈日時〉 5月15日(月)17:30~19:00

〈会場〉 多摩キャンパス・グローバル館7階

〈講演者〉サントリー食品インターナショナル 大塚匠さん(2004年法卒)

〈テーマ〉 私の”ikigai”―文化を創るサントリーのシゴト 

 土居凌太郎さん

 

【第2回】

〈日 時〉 5月19日(金)17:30~19:00

〈会 場〉 多摩キャンパス・FOREST GATEWAY CHUO 3階ホール

〈講演者〉 高知放送 土居凌太郎さん(2021年法卒)

〈テーマ〉 故郷ではたらく~テレビ局の場合

石川七瀬さん

 

【第3回】

〈日 時〉 5月23日(火)17:30~19:00

〈会 場〉 多摩キャンパス・FOREST GATEWAY CHUO 3階ホール

〈講演者〉 三井住友海上火災保険 石川七瀬さん(2004年商卒)

〈テーマ〉 わたしの挑戦 ~チャレンジで広がる可能性~

      ―海外勤務からドラレコ開発まで―

野口智紗樹さん

 

【第4回】

〈日 時〉 5月25日(木)17:30~19:00

〈会 場〉 茗荷谷キャンパス 1W01教室

〈講演者〉 総務省(内閣官房内閣人事局 出向中) 野口智紗樹さん(2017年法卒)

〈テーマ〉 社会課題の解決に向けて ~霞が関で働く国家公務員は何を考え、どのように職務を全うしているか~

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